ダムは、貯水に水量調節、発電に欠かせない設備であるダム。もしも大雨が降るとダムがなければ川の水が氾濫し洪水が起きてしまうでしょう。反対に雨が降らない状況がずっと続けば、必要な生活用水などダムがなければ確保することはできなくなってしまいます。
人々が安心して生きていく上で欠かすことのできないダムですが、そのダムの工事はどのように行われているのか、その工程を確認していきましょう。
ダム事業の工程は、その規模などによって異なるものの調査を着手して完成させるまでおおよそ10~20年はかかります。その長い工程でどのようなことが行われているかご説明します。
ダム工事に関して調査を開始する前に、治水調査などの計画を立て地元に説明を行い、地質調査やダムの設計などを含む予備調査が行われます。
予備調査を通し工事に必要な条件がそろっているか確認を行い、洪水被害の実績、水の需要、地形地質調査などでダム建設は可能か判断します。
予備調査によりダム建設に問題がないと判断した場合は、予備調査以上に詳細な地質調査など実地計画調査を行います。具体的な計画を立てた上での調査・測量・設計などを行うこととなるでしょう。
実地計画調査と並行し地元交渉も必要です。ダム建設の工事は周辺に住む方にも影響を与えることとなるため、国や県、市町村などの職員が地域住民などに必要な用地の譲渡を交渉し、ダム建設中や建設後の生活の変化なども説明がされ理解を得ることが必要です。
実施計画調査でダムを建設することが必要であると判断されると、補助事業として建設に着手することになります。
利水者と費用の割り振りなどについて定めた基本協定を締結し、用地補償も行いながら付替道路や工事用道路など準備工事から着手していきます。
準備工事が終わった後でダム本体の工事が行われます。堤体や管理設備などの工事が完成すれば試験湛水を行い、ダムの最高水位まで水を貯めたときの漏水量や堤体の変形量、発生応力や揚圧力などから堤体は安全か試験的に確認します。
安全か確認された後で、周辺整備工事など残工事を行えばダム建設が完了という流れです。
ダムを造るときには公園など、ダム周辺設備を建設することも必要ですので、ダム建設は規模の大きな工事になると認識しておくべきです。