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世界一の市場規模を誇る中国の建設業界や工事の特徴とは?

2020.10.13
分類:その他

建設業界には、日本と諸外国ではどのように働き方が違うのか気になっている方もいるようです。

中国の建設業界などの状況も気になるところですが、日本とどのような違いがあるのかご紹介します。

中国は農村部から出稼ぎで働く方が多い

2000年代半ばくらいまで、中国は日本や欧米諸国より建設業界の市場規模が小さかったといえます。しかし2000年代後半になると日本を追い抜くこととなり、2010年代にはアメリカも追い抜いて今では世界一の市場規模を誇る建設業界となりました。

拡大された市場規模で働く労働者も増加しましたが、中国の場合には建設業界で働く約8割の人たちは農村部から出稼ぎで訪れた労働者であることが特徴です。

中国の建設業界の市場規模は世界一ですが、本業として仕事に従事しているのは2割程度しかいないことになります。

農村部は都市部と経済格差が激しく、出稼ぎにより収入を得ることはとても大切なのです。人手不足に陥らなかったのも、この農村部の方たちが出稼ぎにより収入を得ることを希望していることが影響していると考えられます。

現場の環境は日本より遅れている

しかし農村部から出稼ぎで働く方が多いため、建設業に従事する多くの人たちは十分に職業技能訓練を受けていません。

職業技能訓練を受けて業務に従事しているのは1割程度しかおらず、さらに現場での安全対策も十分ではないといえます。

さらに日雇い労働などの不安定な働き方をしている方も少なくありませんし、労働者の待遇面などを見れば日本よりかなり遅れているといえます。

 

中国の建設工事の特徴と事情

中国で道路を作ったり橋を架けたりするときに発注するのは国(中央政府)・地方(省・市・県)・または集資(地方・会社・外国企業と共同投資)などです。

競争入札と指名入札という2種類の方法で、設計会社と施工会社が決定されます。中には施工会社とコンサルタントが一体になり行う場合もあるようです。

中国にも民間の建設会社は数多くあり、小規模の会社から中規模の会社までいろいろ存在します。

たとえば橋の建設現場などにおいても、男女の労働者はほとんど同数で働くこととなり、原則として1日8時間労働で残業もあるようです。土曜日も平日と同じ程度で仕事を行うことが多いとされています。ちなみに中国には鉄道橋は鋼橋、道路橋はコンクリート橋が多いようです。

技術者の教育機関には大学の他にも高校卒業者が入学する専門学校や、中学卒業者が入学する中等専門学校などが設けられています。