2020年に開催される予定だった東京オリンピックは2021年に延期されましたが、オリンピック開催に向けて必要な施設などの準備に建設工事が必要となり、建築業界は盛り上がりを見せました。
開催後もこの盛り上がりは堅調が予想されており、建築業界を取り巻く環境は開催が終わった後でも大きく変わらないとみられています。
たとえば2025年には大阪万博、2027年にはリニア新幹線の開業が予定されているなど、関係する工事で建築業界の仕事は豊富な状態が続くと考えられています。
観光ビザ制度が緩和されたことで、日本を訪れる外国人観光客誘致も盛んに行われるようになりました。それにより新型コロナウイルスの影響はあるものの、施設の新設やリニューアルなども増えています。
そもそも現在は電波を使用するサービスが普及しているので、新しく電波塔などの設備を設置することも引き続き必要ですし、老朽化したマンションやビルの大規模修繕工事にインフラの整備など、建築業界の需要は続くと考えられます。
そして日本は高齢化が進んでおり、住宅などをバリアフリー対応など介護用住宅仕様にリフォームしようと考える方も少なくありません。国からの補助金も出るとなれば、親が高齢化になったことをきっかけにバリアフリー対応にするのか、子世帯と同居するためのリフォームを行うのかといった検討も進むでしょう。
高齢者向けの設備を導入しようと考える施設もありますし、そもそも多く必要となる介護施設なども新築する機会も増えると考えられます。既存の施設や設備をニーズに対応できるようにリフォームする場合もあります。
このように建設業界に対するニーズは継続すると考えられるため、オリンピック需要という一時的なものにとどまるとは言い切れません。
建設需要は継続すると考えられているのに、慢性的な人手不足の問題は解決に至っていません。
建設業従事者は他産業と比較すると高齢化が進んでおり、若手人材の確保ができないことでこのまま高齢化が進めば需要に対応できないと頭を悩ませることになります。
そのため労働時間を改善させ休日を確保しやすくし、賃金もアップするなど働きやすいと感じてもらえる環境づくりを進めていくことが必要です。
インフラ整備や地域発展など、社会貢献できる業界であり必要不可欠な存在でもあるため、人手不足という問題を社会全体でどのように解決していくべきか考えなければならないといえるでしょう。