携帯電話など、モバイル環境の根幹をなすのが移動体通信ネットワークインフラです。携帯電話の無線基地局などの建設工事を行うことで、モバイル端末に電波を効率的に届けることが可能となります。
施主はドコモやKDDI、ソフトバンクなどの移動体通信事業者ですが、どの地域が最適か選定されますので、候補となった建設地の調査や土地・建物所有者との用地折衝なども必要となります。
その上で施主である移動体通信事業者のニーズや、地盤や建物の強度、設備装置の規模などいろいろな条件を検討していくことが求められます。
設備設計を詳細に決定する際には、折衝などの結果も踏まえながら安全で効率的に建設工事を進めることができるようにしなければなりません。
無線設備設計においては、電波法の制限もありますし、移動体通信事業者によって技術基準や規格が異なるなど、適合した設計をそれぞれに合わせて行うことが必要になります。
無線基地局の建設の施工は、建築工程・設備設置工程・試験工程に分けることができますが、作業を行う場所や内容も日々違ってくることがあります。そのため作業員の技術力や判断力も重要になるといえるでしょう。
無線設備設置において必要な鉄柱やビルの設備基礎を作る段階を指しており、アンテナを取り付ける鉄塔は40メートル以上という場合もあります。
無線設備を設置する工事では、アンテナから装置までがその対象ですが、電源を接続するまでも施工内容に含まれます。
鉄塔やビルの屋上など、高所で行う作業が多いので安全性確保のため、安全器具をしっかりと準備しておく必要があります。
また、通信サービスが変更されれば必要な設備も変わってくることに注意しておきましょう。
設備施工の一環として行われるのが試験工程ですが、工事の良否判定と装置単体での調整などがメインとなる工事試験、そして問題なくシステム全体が稼働するか判定する付帯試験に分けられます。
基地局設備は、建設すれば終わりではなくメンテナンス作業も必要となります。故障があった場合にはすぐに駆けつけて修理を行うことはもちろんのこと、定期的な点検・検査なども欠かせません。
故障が発生した原因は何か、高度な技術と経験がなければ発見することはできないでしょう。
移動体通信ネットワークの基地局数は、通信事業者の電波改善の取り組みによって増えつつあるといえます。新たな分野の高度なスキルが必要となるため、積極的に取り組んでいくにしましょう。