屋根工事業とは、瓦・スレート・金属薄板などで屋根をふく工事を指しており、屋根ふき工事や屋根一体型の太陽光パネル設置工事などが該当します。
具体的に屋根工事業に含まれる工事の内容と、屋根工事業で建設業許可を取得するときに必要になる要件についてご説明します。
まずは屋根工事業が他の業種とどのように区別されるのか把握しておきましょう。
瓦・スレート・金属薄板などの表示は屋根をふく材料を示しているため、これら以外の材料で屋根ふき工事も多く行われていますので、包括して「屋根ふき工事」としています。
そのため板金屋根工事は「板金工事」に含まれると思われがちですが、実際には「屋根工事」に該当します。
他、断熱処理を施した材料で屋根をふく屋根断熱工事も、「屋根ふき工事」の一類型です。
屋根と一体タイプの太陽光パネル設置工事は「屋根工事」、太陽光発電設備の設置工事は「電気工事」にそれぞれ該当することとなり、太陽光パネルを屋根に設置するときには屋根などの止水処理を行う工事も含みます。
屋根工事のうち、軽微な建設工事以外を請け負うときには、建設業許可(屋根工事業許可)を取得していなければなりませんので注意してください。
屋根工事業の建設業許可を取得する場合、建設業法で規定されている5つの許可基準をすべて満たすことが必要となっています。
建設業許可に必要とされる許可基準は次の5つです。
①建設業の経営業務の管理を適正に行う能力
②専任技術者
③誠実性
④財産要件
⑤欠格要件に該当しないこと
これらの許可基準のうち、経営業務の管理能力と技術能力は次の基準を満たすことがポイントといえます。
建設業許可を受けるためには、建設業法で定めのある次の基準を満たすことが必要です。
・経営業務の管理責任者としての経験が5年以上ある
・経営業務の管理責任者に準ずる地位での経験が5年以上ある
・経営業務の管理責任者を6年以上補助した経験が6年以上ある
・常勤役員などに加えて3部門に常勤役員などを直接補佐する方がいる
専任技術者とは、建設工事を請負う場合の契約を行う営業所で、工事請負契約を適切に締結し工事を適切な品質で完成させるため、工事の方法・仕様を検討・決定する技術者のことです。
一般建設業許可で専任技術者になれるのは、
・1級・2級建築施工管理技士や1級・2級建築士などの資格を保有している方
・建築学や土木工学に関する学科を卒業しており、屋根工事の実務経験がある方
・10年以上の屋根工事の実務経験がある方
のいずれかです。
特定建設業許可の場合には、
・1級建築施工管理技士または1級建築士の資格を保有している方
・指導監督的実務経験が2年以上ある方
と、より厳しい要件となっています。