建設工事現場で使用する生コンクリートは工場でつくられますが、材料のセメントと水が反応し、2〜5時間経てばだんだんと固まりはじめてきます。
そのため建設工事現場には、工場で作られてから90分以内に届けてもらうことがルールとなっていますが、この間にも工事現場では様々な業務を行うことになります。
工場で作られた生コンクリートが、工事現場に到着したときすでに固まりかけていれば意味がなく、使用するまではドロドロの状態を保つことが必要です。
そのため、コンクリートミキサー車ではコンクリートの入ったドラムを常に回転させておき、コンクリートが固まり品質を低下させないようにすることが必要といえます。
コンクリートミキサー車で建設工事現場に生コンクリートが届いたら、すぐにその品質を調べるために次の検査が実施されます。
生コンクリートの柔らかさなど流動性を測り確認します。
コンクリートにふくまれる空気の量は強度に関係することになるため、必ず確認を行います。
コンクリートに含まれる塩化物イオンの濃さは、数値が大きすぎるとコンクリートを支える鉄筋の錆びが発生しやすくなりますので、必ず確認します。
建物の骨組になる柱は、鉄骨・鉄筋・その周りのコンクリートが一体化したものですが、次の流れで作られます。
①鉄筋を鉄骨に張りめぐらせる
②型枠を鉄筋の手前に建てる
③生コンを型枠の外から流し込む
④コンクリートが固める
⑤型枠を外し完了
建設工事現場に届いたコンクリートがすべて使われればよいですが、品質検査で使用されたコンクリートや、ミキサー車に余ったコンクリートなど、残りが出てしまう可能性もあります。
このような建設現場に届いたコンクリートのうち、使い残されたコンクリートは、品質を保持できる90分を過ぎた状態のため別の建設現場で使うことはできません。
しかし残ったコンクリートは。資源の無駄遣いをなくすため、次のように様々な形で再利用されています。
・大量の水と砂、砂利に分け再利用
・細かく砕き、基礎のコンクリートなどが沈まないようにするための石として使用
・建物建築の基準線を出すことや、足場確保などに使うコンクリートとして利用