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巨大は海底ステーションを建設する計画が進んでいるって本当?

2021.08.08
分類:その他

国際宇宙ステーション(ISS)の水中バージョンといえるのが大型水中研究ステーションであり、この建設計画が進行中とされています。

海底居住施設の計画は「PROTEUS(プロテウス)」といい、進めているのは海洋保全を推進することを目的とするNPOFabien Cousteau Ocean Learning CenterFCOLC)」です。

創設者のファビアン・クストー氏は海洋探検家でアクアラングの発明者だった方の初孫にあたる方で、有名な海洋調査船であるCalypso号で祖父と世界の海を回った経験もあるとされています。

サンフランシスコに拠点を置く工業デザイン会のデザイナーイヴ・ベアール氏と共同プロジェクトとして、この海底ステーションの建設計画を進めているようです。

プロテウスとはどのような施設?

建設計画が進んでいるプロテウスは、高床式2階建ての構造物となっており、床面積は4,000平方フィート(約372㎡)とされています。

収容できる人数は最大12人で、本体は円形になっており、そこから突き出たモジュラーポッドに実験室・寝室・医療用ベイ・貯蔵庫などが設置されます。

最も大きいポッドに潜水艇がドッキングできるムーンプールも備えられなど、ニーズに応じて取り付け・取り外し可能となるのがポッドの特徴のようです。

動力源は風力・太陽エネルギー・海洋の熱エネルギーなどで、食用植物を栽培する水中温室やビデオ制作施設も備えることが予定されています。

カリブ海のキュラソー島沖の深度60フィート(約18m)の海底に建設予定とされているようです。

 

国を問わずに知識を集約できる施設として

クストー氏らが目指すのは、国を問うことなく政府機関や科学者、民間企業が知識を集約する精神で協力し合える国際宇宙ステーション(ISS)の海中版です。

カリブ海に浮かぶキュラソー島沖の海底にあるモジュール式の研究所として、気候変動の影響・新たな海洋生物・医薬の新機軸など海洋研究に取り組む世界各国の科学者や研究者が滞在する居住施設として活用されるでしょう。

ライブ配信・VR(仮想現実)・AR(拡張現実)などを使い、プロテウス内をいつでも見ることができるようにする計画もあるようです。

プロテウスが設置されるまで3年を要するようですが、すでに新型コロナウイルス感染拡大の影響によって、計画に遅れが生じているとされています。

地球表面の7割は海が占めていますが、人工衛星で地球観測はできても、厚さのある海水の層を見通し深海底を観測することはできません。そのため日本近海でも海底に観測ステーションが設置される例は増えています。