建設業界で「棟梁(とうりょう)」と呼ばれる人とは、大工職の頭や親方のことです。
木造建築では工事を指導・監督する大工職人の責任者を指す言葉として使われることが多いといえます。
建築大工技能士・建築施工管理技士・二級建築士・木造建築士などの資格を保有者が、棟梁の役割を担うことが多くなっています。
そこで、建設業界で活躍する大工棟梁の仕事についてご説明します。
人を指す言葉なのか、どうすればなれるのかご説明します。
たとえば住宅を建てるときの工程をおおまかに説明すると、
①土地の整備(地盤改良など)
②基礎工事
③上棟
④屋根工事
⑤外壁工事
⑥断熱工事
⑦設備工事
という流れを経て建物が完成します。
それぞれの工程では専門的な技術を保有する職人が現場を任されることになります。
この工程の中で、柱を立てて梁をかけ、屋根の棟をあげる建方から、外壁取り付けや断熱工事のための下地取り付けの作業は大工が行います。
住まいの基盤を作るのが大工の仕事ですが、大工がいなければできない建方では、棟梁が荷物・重機の手配、スケジュール管理・調整など現場管理を任されることになります。
安全管理から現場への指導など様々な対応も必要となるため、現場監督と連携して行わなければならない仕事もあるなど非常に重要な存在です。
現場の棟梁が頼れる存在であれば、作業もスムーズに進むようになりますし、建物が完成した後の仕上がりも顧客に満足してもらえるものとなります。
大工棟梁になるために必要な年数など、明確な基準などは決められていません。
ただ、一般的には親方のもとで6年間修行を積み、その後1年間はお礼奉公で親方のもとで働きます。8年目にやっと一人前の大工棟梁として独立できるという流れです。
部下などの指導も行うため、高度な技術や知識を保有し建築作業全体に精通していることが要件となります。
5年ほどかけて色々な現場で経験を積みながら、必要な知識や技術を身につけていきます。
棟梁として通用するまで一定年数が必要であり、本人に自信がつくまで10年はかかるといえるでしょう。
今後、大工の需要は大幅に上がることが予想される中で、大工の高齢化が年々進んでいることが問題視されています。
職人数が不足することが予測されるため、大工として働きたいという若い人材がいれば、積極的に雇用していくことが必要です。