主にブロックチェーンは仮想通貨で使われていますが、今後は建設業でも活用されていく可能性があると考えられます。
ブロックチェーンの活用方法はいろいろですが、たとえば工事記録の原本性を保証するといった方法など有効といえます。
現在の建設工事では、進捗や品質の記録は写真を用いて行うため、仮に画像が改ざんされれば品質を担保できなくなってしまいます。
従来までであれば、行政が定めていた厳密な基準に従った撮影が必要とされていたものの、現在ではデジタル写真管理情報基準が数年ぶりに改訂したことで、JPEGのみだったものがTIFF形式も可能となり、監督職員の承諾を得れば動画も可能となりました。
静止画像だけでなく動く画像も可能となっただけでなく、写真というデータに様々な情報を付加できるようになったといえます。
動画・360写真・点群などに付随する情報を合わせ、新たなスタイルの進捗管理を可能とするサービスなども今後は出てくるでしょう。
その際、記録の原本性を確保する技術としてブロックチェーンを活用すると、建設業が自社展開するアプリケーションで記録すれば原本証明可能となる仕組みができます。
仮想通貨で使用されているのは主にパブリックチェーンですが、プライベートチェーンを活用することにより、ネットワーク内であれば誰が撮影者でも信頼性を保つことができるようになります。
すでに大手ゼネコンの株式会社大林組では、株式会社digglueと協力しながら建設現場で利用するコンクリート受入検査システムの検査データを、ブロックチェーンに記録するといったシステムを開発しています。
近年、安全意識や環境意識が向上していることに伴って、建設業でも施工プロセスをさらに透明化させなければならないとされています。
そこで大林組では、これまでも改ざんを防ぎ検知する機能など、コンクリート受入検査システムに実装していました。
しかし、システムの脆弱性が問題となり、外部から攻撃を受けデータを改ざんされてしまうといったリスクもあったようです。
そのため、新しくブロックチェーンの仕組みを利用しながら、建設現場で検査データの信ぴょう性を高める取り組みへと着手したとされています。
システム上に記録された変更履歴とブロックチェーン上のハッシュ値を照合すれば、改ざんが発生したタイミングの追跡が可能となり、検査履歴を透明化させることができるようです。