産業廃棄物の中でも建設系産業廃棄物は排出量が多く、関係する業者の数も工務店や解体業者、設備業者など多岐に渡るため、排出事業者が確定しにくいことが特徴です。
そのため、不適正処理などが起きやすいことが問題視されていますが、建設工事で産業廃棄物が出ても、産廃業者に処分を依頼すれば終わりだと考えていないでしょうか。
平成23年に廃棄物処理法が改正されたことで、建設工事に伴う産業廃棄物は元請けが排出事業者だと明文化されています。そのため、建設系産業廃棄物に対する排出事業者の責任リスクは元請けが負わなければなりません。
数次の請負で建設工事が行われる場合、建設工事に伴って発生する産業廃棄物の処理は元請業者を排出事業者とすることになります。そのため、排出事業者となる元請け業者は、適正に産業廃棄物の処理を行う、もしくは委託基準に則った適正な処理の委託が必要となります。
この産業廃棄物の規定の中で、普段耳にすることない言葉が色々出てきて意味がわからないこともあるでしょうが、それぞれの用語の意味は次のとおりです。
汚物や不要になったすべての液状・固形状のものをさします。
産業廃棄物以外の廃棄物のことで、爆発性や毒性など人の健康に被害を及ぼす可能性のある廃棄物は特別管理一般廃棄物に分類されます。
事業活動に伴い発生した廃棄物の中で、燃え殻、汚泥、廃プラスチック類といった19品目の廃棄物を指しています。
この中で、爆発性や毒性など人の健康被害を及ぼす恐れのある廃棄物は特別管理産業廃棄物として分類されます。
産業廃棄物の中で安定型最終処分場に埋め立て処分を可能とするものが該当します。
建設工事などに伴い発生した廃棄物のことです。
建設廃棄物の中で安定型産業廃棄物に該当するものや、それ以外の廃棄物が混在しているものを指しています。
分別や保管、収集、運搬、再生、処分などのことです。
廃棄物から原材料などの有用物を得たり、処理をして有用物にしたりすることをいいます。そのため、再生利用とは、有用物や廃棄物を有効に活用することを指した言葉です。
中間処理と最終処分のことで、中間処理は再生、減量、安定化・無害化などを目的とする処理で、最終処分は埋め立て処分と海洋投入処分を行うことです。
廃棄物を排出する事業者のことで、建設工事などでは発注者から工事を直接請け負う元請け業者のことを指します。
産業廃棄物または特別管理産業廃棄物の収集運搬業、または処分業の許可を取得している事業者のことです。