工事をするときには、協力業者同士で作成する協力議事録といえる「工事打合せ簿」が必要ですが、発注した側と受注した側がそれぞれ工事の施工状況を確認するために必要です。
そこで、「工事打合せ簿」は何のために必要なのか、記載する上でのポイントについて説明していきます。
「工事打合せ簿」とは、受注者と発注者が互い施工状況を確認し、認識のずれなどを発生させないための重要な書類です。
発注者もしくは受注者から発議された事項を記載し、書類で処理・回答することが原則となります。
やり取りで発生する処理・回答は、受理のみで完了することもありますが、判断情報の不足や内容が理解できないといった問題が発生してしまうと処理・回答が遅れてしまうこともあるようです。
処理・回答が遅れてしまえば、現場をスムーズに進行させることへ悪影響を及ぼしかねなくなります。
無用なやり取りで現場を混乱させないようにするため、わかりやすく簡潔に「工事打合せ簿」を記載するようにしてください。
「工事打合せ簿」のやり取りで、受注者による協議は特にトラブルに発展しやすいため注意してください。
協議する内容として挙げられるのは、設計図書と工事現場の状況不一致などです。たとえば、工事用道路を改良するときに施工する過程で設計を変更することが必要になれば、受注者から発注者に対する協議が行われます。
この場合、適切に現地調査を実施し、必要性の理由や施工方法など内容を明確に記載し、受注者から承認を得ておくことが必要です。
承認を得ることができなければ、次の工事を進められなくなるだけでなく、工事費用を追加することを認めてもらえなく可能性もあるため注意しましょう。
トラブルを防ぐためにも明確・簡潔に「工事打合せ簿」を記載するようにしてください。
「工事打合せ簿」の記載事項として、
・協議理由
・対策検討の理由
・数量
・形状寸法
・施工方法
・概算金額
・延長必要日数
などが挙げられます。
工事打合せ簿を記載するときには、
・タイトルをつけること
・課題を記載すること
・問題点を記載すること
・現況を数値で示すこと
・努力を見せること
・比較・検討をすること
・対策の根拠を添付すること
といったポイントを押さえておくようにしましょう。
工事打合せ簿に定まった書式はないため、オリジナリティをだすことができれば、工事評価点を向上させることの期待が持てる可能性もあります。