建設工事業情報ラボConstruction Business Information Lab

人々の生活に欠かせない下水道工事の仕組み

2022.03.11
分類:その他

生活排水を下水本管に繋げ、排水できるようにするためには下水道工事が必要です。

下水道は、工場から出る産業排水や一般家庭の生活排水を排水管に通し、公共下水道管へと流していきます。

そして排水処理場まで運ばれ、綺麗な水へと処理されて河川に放流されることになりますが、下水道工事を行うことでトイレを水洗化できるなど衛生面でもメリットがあります。

そこで、人々の生活に欠かせない下水道工事の仕組みについて説明していきます。

公共下水道の仕組み

公共下水道は大きく次の3つの仕組みで成り立ちます。

・排水設備…家庭や事業所から出た汚水を下水道管に流す設備

・下水道管…汚水を集め浄化センターに運ぶ管

・浄化センター…汚水を処理しきれいな水に変える施設

敷地内の排水設備は住んでいる方によって工事を進めていくことになりますが、下水道管など敷地外の工事は自治体が行います。

排水設備とは、台所やトイレなどから出る汚水を下水道管に流すことを目的として設置する「排水管」や「ます」などのことです。

排水口から排出された汚水は、排水管やますから「公共汚水ます」を通って「下水道管」に流れ込みます。

 

下水道工事の3つの工法

下水道工事の埋設は次の3つの工法で行われいますので、それぞれどのような方法か確認しておきましょう。

開削工法

「開削工法」とは、下水道工事で最も多く用いられる工法です。

土をショベルカーなどで掘った後、下水道管を並べ土で埋め戻しますが、次のような手順で行います。

①道路を切断し取り壊す

②管を埋設する深さまで掘削

③道路を掘り下げ、土が崩れないよう山留を設置

④下水道管を敷設する管基礎をつくる

⑤下水道本管を敷設する

⑥埋め戻し作業を行う

⑦壊した舗装を仮復旧させ通行可能な状態にする

⑧すべての下水道管の敷設後に舗装工事を行う

推進工法

管を埋設する位置が深い場合や、障害物の下に下水道管をくぐらせなければならないときには、 開削工法では工事が困難です。

そのようなときに用いられるのが「推進工法」ですが、次の手順で工事を行います。

①立坑と呼ばれる立穴を設置

②推進機を設置し下水道管を推し進める

③推進の完了後に推進機を取り出し、立坑位置にマンホールをつくる

④立坑内を埋め戻し仮復旧する

⑤立坑部分の舗装工事を行う

シールド工法

長さのある場所の管を作るときの工法が「シールド工法」ですが、地下鉄やアクアラインなどで用いられた工法です。

 

下水道管埋設工事の8つの流れ

敷地外に位置する下水道管埋設工事は、家庭から排出された汚水を受ける管である枝線の工事です。

下水道管埋設工事の流れは以下の8つの流れで行います。

①工事説明会

②家屋等事前調査

③試験堀工事

④公共汚水ます設置申請

⑤埋設管移設工事

⑥下水道本工事

⑦下水道本工事完了後

⑧供用開始区域の告示