海洋に関わる工事に携わる業種を「海洋土木」といいますが、たとえば埋立・海底トンネル・護岸など海洋工事に関連する幅広い事業のことです。
日本だけでなく、海外事業として進出する海洋土木も少なくありませんが、海洋土木工事に該当する7つの工事と、その特徴について解説していきます。
建設業界で耳にすることが多い「ゼネコン」とは、建設工事全体を請け負う総合建設業者という意味ですが、その海洋土木工事バージョンが「マリコン」です。
海洋土木工事には、たとえば埋立や防波堤設置、海底トンネル工事など海に関連する様々な工事がありますが、主な7つの工事を紹介します。
埋立とは、陸上や海底で採取した土砂や廃棄物などを海底に投入し、土地を造成することです。
土地を埋立てていくときに流れる汚濁水が海へと流れないよう、防止施設なども作ります。
浚渫とは、海底の土砂などをすくい上げ整備することです。浚渫工事を行うことにより、大型船が海底にぶつからず航路を走ることができます。
なお、浚渫工事ですくった土砂は埋立工事などに使われます。
港湾工事の1つである防波堤設置工事では、波からの被害を抑える堤防をつくります。
海岸だけではなく河岸を守るための工事が護岸工事で、災害などで河川が増水したときに堤防が削られてしまうことを防ぐために行います。
頑丈な橋の基礎をつくる工事が棟梁基礎工事で、杭を打ち込み基礎をつくり、土台になる枠を作りコンクリートを流し込んでいきます。
コンクリートが固まったら枠を外し、橋脚を作って基礎を完成させます。
また、災害で被害を受けた橋の復旧工事なども行います。
海底にトンネルを作る工事が海底トンネル工事であり、沈埋函施工技術が取り入れられています。
トンネル本体となる函体部分をコンクリートや鋼板などで複数のブロックにわけて作り、作った函体に水が入らないよう両側に蓋をして平行に海底に沈めていきます。
ダイバーが海底に潜って行う工事であり、埋設深度調査を行って海底ケーブルを補強したり埋設したりする工事です。
海洋ケーブルは天候の影響を受けにくく、通信衛星より大量のデータを早く通信できますが、世界のネットワークをつなぐために欠かせない工事といえます。