木材の加工や取り付けにより、工作物を築造、または工作物に木製設備を取り付ける工事を大工工事業といいます。木材の加工や取り付けを行う大工工事や、ベニヤ板で基礎を組みコンクリートを流し込む型枠工事、他にも造作工事などが大工工事業に該当します。
この大工工事業の建設業許可を取得するときに、どのような要件が必要になるのかご説明していきます。
コンクリート基礎工事なら、とび土工工事業でも作業はできるのでは?と思うかもしれません
実際、技能検定の型枠施工も、従来はとび土工工事業の資格者として認められていたのですが、平成27年4月1日からは大工工事業の資格者としても認められることとなっているので大変近いものはあると考えられます。
そのため注文書や契約書などを提出するときには、基礎工事と記載されているだけならとび土工工事業に分類されるかもしれませんので、型枠工事を行っていたことを見積書や図面の詳細などで証拠として示すことができるようにしておくと安心です。
大工工事業についての建設業許可を取得する上で必要となる要件のうち、経営業務の管理責任者と専任技術者についてご説明します。
許可申請者が法人でれば常勤役員、個人なら事業主本人が、大工工事業の経営者として通算5年以上の経験がある、または大工工事業以外の建設業で通算7年以上、経営者としての経験があれば、経営業務の管理責任者としての要件を満たします。
大工工事業の専任技術者はそれぞれの営業所に配置することが必要ですが、
・一級建築施工管理技士
・二級建築施工管理技士(躯体)
・二級建築施工管理技士(仕上げ)
・一級建築士
・二級建築士
・木造建築士
・技能検定(技能士)建築大工技能士・型枠施工技能士
などの資格を保有していることが必要です。
また、資格を保有していなくても、建築学または都市工学に関する学科を卒業していれば、実務経験をプラスさせることで専任技術者としての要件を満たします。
大学卒の場合は大工工事の実務経験3年以上、高校卒の場合は実務経験5年以上となっていますが、もし大学や高校で建築学や都市工学を学んでいなくても、大工工事の技術上の実務経験が通算10年以上あれば、資格や学歴に関係なく専任技術者としての要件を満たすことが可能です。