建設現場で発生する事務作業を行う現場事務の仕事とは?

建設現場ではいろいろな事務業務が発生します。その業務を「現場事務」といいますが、建物を造ったり工事や管理する技術職とは違い、事務の立場から工事を支えていく業務です。
書類を整備したり、事務所で電話応対をしたり、さらには請求書の確認や来客対応など、その業務は多岐に渡りますが、どれも大切な業務です。
現場事務が行う業務
現場の「人」「モノ」「お金」という、経営資源をマネジメントしていくことを通しなら、技術部分以外で工事を支えていく現場事務の主な業務内容は、協力会社と下請負契約を締結すること、関係官庁に対して提出する届出書類を作成すること、現場の安全衛生管理体制を構築することなどです。
現場で技術者が建物を造るためには、契約書類の整備が必要不可欠になります。
契約なら民法、安全業務なら安全衛生法など、関係する法令を確実に押さえ、工事が滞らずに行える様にしていかなければなりません。
建設業の会計処理は特殊
また、建設業での経理の仕事は建設業会計という特別な会計処理が必要になる点にも注意しましょう。
建設業では、受注してから引き渡しまでの期間が長期に渡ることになりますし、受注金額は工事開始時に原則として確定しています。工事が長期に及ぶことで、前受金などを受け取るといった取引慣行もある点から、一般の会計簿記とは異なった特別な会計処理が必要になるのです。
収益は通常役務の提供が完了したときなので、建設業の場合は完成後に物件が引き渡されたときになります。しかし、建設工事は期間が長いため、引き渡される前の工事が進んでいる段階で、進捗度合いに応じながら売上を計上していく工事進行基準があるなど特殊です。
一般的な会計簿記との勘定科目の違い
一定要件を満たす工事は、工事進行基準で処理しなければならないので、工事進行基準の仕組みを理解しておくことも必要になるでしょう。
さらに建設業会計の場合、一般的な会計簿記で使う勘定科目とは一部異なった名称の科目を使うことになります。
一般的な会計簿記で使用される勘定科目と、建設業会計での勘定科目を対応させた場合、次のようになります。
□資産
・売掛金→完成工事未収入金
・仕掛品→未成工事支出金
□負債
・前受金→未成工事受入金
・買掛金→工事未払金
□収益
・売上高→完成工事高
・売上総損益→完成工事総損益
□費用
・売上原価→完成工事原価
現場事務の必要な知識は様々
現場事務は工事以外のすべての仕事を任せられることになるので、自分なりにスケジュールを組んで実践していく事ができますが、建設業に関係する法令や、特殊な会計処理など、知っておかなければならない知識がいろいろある点には注意してください。