建設業界で起きたヒヤリ・ハットの事例を確認!
近年では建設業の労働災害は減少傾向にあるといえますが、それでも建設現場ではいろいろな事故が発生しています。
安全第一を掲げて作業を行っていても建設現場で事故が起きてしまうため、2020年に開催される東京オリンピックにむけて建設ラッシュが予測されていることもあって、国土交通省では2017年6月に「ヒヤリ・ハット事例集」を公開しています。
ヒヤリ・ハットとは?
ヒヤリ・ハットとは、事故には至らなかったけれど、ヒヤリとしたりハッとしたりということを指しています。
1つの重大な事故がおきる背景には29件の軽微な事故、それに加え300件のヒヤリ・ハットがあるという「ハインリッヒの法則」があるともいわれています。
労働災害を撲滅させるためにも、ヒヤリ・ハットの段階でその後起きる事故を防ぐ必要があるといえるでしょう。
そこで、どのようなヒヤリ・ハットがあるのか、その事例の一部をご紹介します。
足場から転落しそうになった事例
枠組み足場上での移動中に、作業床の上で布板を結束してあった番線につまずいたものの、枠組足場の筋交いにつかまったことで転倒しないですんだというヒヤリ・ハットの事例があります。
建設現場の足場に段差があると、うっかりつまずいてしまったことで命を落としかねない事故に繋がります。番線や紐など、引っかかるおそれがあるものは放置しないように点検することが大切です。
油圧ショベルに乗車するときに転落しそうになった事例
油圧ショベルに乗車しようとキャタピラーに上り、運転台の取手を掴んだけれど手が滑ってキャタピラーから転落しそうになったという事例もあります。
普段から慣れた動作だからという理由で、重油が手袋に付着していたことに注意を払わないまま運転台の取手を掴んでしまうケースもあるようです。
しかし、給油作業で使った手袋は次の作業で続けて使わないことを徹底し、昇降するときには両手両足のうち、いずれかを動かして安全確保するようにしましょう。
業界全体が安全第一で作業できるために
実際、国土交通省のWebサイトには500件近い事例が紹介されていますので、今回ご紹介した転落しそうになった事例以外にもたくさんのヒヤリ・ハットが存在することを理解しておくとよいでしょう。
けっして他人事だと軽く考えず、少しの行動が大きな事故につながることをそれぞれの作業員が理解しておくことが大切です。
今後、建設需要が高くなることに備え、安全第一を業界全体で実現することを目指していきましょう。