建設工事業情報ラボConstruction Business Information Lab

建設工事現場で発生する賠償責任に備えることができる保険とは?

2018.09.10
分類:その他
建設工事の現場などで、誤って第三者に被害を与えてしまうという事故が起きないとは限りません。建設工事現場は様々な危険が飛び交う場所ですが、たとえば高所から工具を落下させてしまえば通行人にケガを負わせる可能性があります。 そこで、万一のために保険などで賠償責任のリスクへの備えを行っておくことを検討しましょう。

損害賠償への備えはなぜ必要?

実際に事故が起きた時に発生する損害賠償金の額は、被害者の年齢や事故状況などで異なるでしょう。しかし、一般的には高額になることが予測されますので、小規模の建設業者の場合、損害賠償を負担することになることで事業が継続できなくなる可能性も考えられます。 また、損害賠償請求を受けるのは、実際に現場で工事を行う下請会社だけでなく、元請会社にも及ぶ可能性もあります。仮に元請会社が損害賠償金を支払えば、今度はその賠償金の額をそのまま下請会社に請求してくるかもしれません。 そうなると結局、工事に関連するすべての建設業者が賠償金を支払わなければならなくなるため、第三者賠償責任保険などで備えておくことが重要になるといえます。

第三者賠償責任保険の補償内容

建設工事現場などで注意を払っていたのに、第三者に何らかの被害を与えてしまったという場合、その損害賠償について補償してくれる保険に「第三者賠償責任保険」があります。 第三者賠償責任保険に加入していればどのような補償を受けることができるのか、保険会社によって補償内容には違いがありますが一般的な補償については次のとおりです。 □基本的な補償内容 たとえば誤って資材を歩道に落下させて通行人にケガを負わせてしまった場合や、歩行者誘導のミスで道路に掘った穴に通行人が落ちてケガを負った場合、足場が崩れて走行していた自動車を損壊させた場合など、いずれも法律上の損害賠償責任を負うことになります。 このような場合において、被害者の治療費など身体賠償、応急手当や緊急措置に要した費用なども補償されます。また、訴訟になった場合には、弁護士報酬を含めた訴訟関連費用も補償されるので安心です。 □任意で補償を手厚くできる たとえば工事が終了し受渡し完了後、その工事に起因する事故によって他人の信頼や財物に損害を与えたという場合には、法律上の損害賠償金について補償する「生産物賠償」を付帯できます。 また、工事中に第三者の財物である作業対象物を損壊させてしまったときには、その法律上の賠償金も補償する「作業対象物賠償」などもあります。 必要とする補償内容や、どこまで手厚くしたいかなどを踏まえた上で検討するようにするとよいでしょう。