建設業者なら必ず加入しておきたい保険とは?
安全第一を掲げている建設工事現場でも、事故が起きないとは限りません。
もし建設工事現場で事故が起きてしまうと、被害を受けた人に対する損害賠償責任を追及されるだけでなく、取引業者からの信頼を失う可能性も十分考えられます。
いくらベテランばかりの現場で十分注意しているから大丈夫だと思っていても、ちょっとした油断で事故が起きることもあるのです。
工事を行っている期間において、また、完成して受け渡しを行った後で事故が発生する可能性もあるため、第三者賠償責任保険に加入しておくようにしましょう。
加害者でないのに賠償責任を負わなければならない?
第三者賠償責任保険とは、建設工事現場などで第三者に被害を与えてしまった時の損害賠償に対して補償してくれる保険です。例えば高所から工具が落下し、下を歩いていた通行人がケガをしたという時などに補償されます。
そのため、元請や下請は関係なく、工事に関係する請負業者なら例外なく加入しておくべき保険だと言えるでしょう。
□下請だけでなく元請も責任を負う?
元請と下請は直接責任がなかったとしても、いずれも被害を受けた人に対して賠償責任を負うリスクがあります。
仮に建設作業中のビルに設置していた機械が倒れ、工事現場の近隣の家屋に被害が及んだとします。施工を請け負っている下請が基本的に損害賠償責任を負うことになるでしょうが、元請も作業工程について指揮・命令・監督を行っていた場合には責任を問われる可能性があります。
□元請から下請に対する損害賠償請求が発生?
建設工事現場で事故が起き、巻き込まれた被害者は、下請と元請のどちらにも損害賠償請求を行うことができます。下請と元請の賠償責任は連帯責任だという考えから、責任はどちらにも発生することになるのです。
また、被害者に対する損害賠償金を元請が支払い、同額の賠償額を下請に対して請求するというケースもあるため、下請や元請に関係なく第三者賠償責任保険には加入しておきましょう。
第三者賠償責任保険とは?
第三者賠償責任保険とは、工事現場で通行人や住民などにケガを負わせた場合や、第三者の財物を破損させた場合などに対して生じる損害賠償金額を補償してくれる保険です。
また、工事が終了して引き渡しが完了した後で、工事に起因する事故により他人の信頼や財物に損害を与えた時も補償の対象になります。
具体例として、引き渡し後に建物が倒壊して隣の店舗が損壊した時や、機会設備の備え付けミスで第三者である工場の従業員がケガを負ったという場合なども補償されます。
建設業者なら保険に加入して備えることが重要
いずれにしても建設工事現場で事故が起きると高額な損害賠償金が発生しますし、裁判や示談交渉を行うことになれば時間や費用が掛かってしまいます。そうなると事業が継続できなくなる可能性も出てきますので、しっかりと保険に加入して備えておくようにしてください。