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建設業者が抱えるリスクと加入しておきたい保険とは?

2019.03.30
分類:その他
建設業を営んでいると、いざという時のために保険に加入しておこうと思うものです。ただ、種類がいろいろあり過ぎて、どの保険に加入すればよいのか分からないということも少なくありません。 建設業者が加入するとよい保険とは、不安を抱える表面的なリスクとそれに潜在しているリスクに対して備えることができる内容のものです。 そこで、どのような事故が起きる可能性があるのか、それに対応できる保険の種類はどれなのかを確認しておきましょう。

本当に建設業者は保険が必要?

保険に加入していなかったことで、発生した事故によって本業が立ち行かなくなってしまったり、事故処理に時間や費用を取られることになったりなど、いざという時に困らないために保険に加入します。 保険に加入すれば保険料を負担することになります。大企業なら保険料の負担も重く感じないかもれないけれど、中小の建設業者にしてみれば保険料などコストがかかることはできるだけ避けたいと思うものでしょう。 しかし、資本力のある大企業なら、保険へ加入しなくてもよいかもしれません。中小の建設業者だからこそ、保険に加入しておくことが必要なのです。 □元請が加入していれば必要ない? 下請けの建設業者の場合、元請が保険に加入しているから何も問題ないと考えるケースもあるようです。しかし、元請が加入している保険で、下請けの事故まで補償されないこともあります。 下請けの立場である中小の建設業者は、元請けの保険に頼ることなく、自社で保険に加入しておくようにしましょう。

建設業者が加入しておきたい保険の種類

建設業者が抱えるリスクは色々あります。例えば従業員がケガや病気になった時や失業した時のために、健康保険や労災保険、雇用保険などの公的な社会保険で補うことができる部分もあるでしょう。しかし、賠償責任保険や建設工事保険など、民間の損害保険会社の保険でなければ備えることができない部分もあります。 □生産物賠償責任保険 内装工事の引き渡しが行われた後で、排水管の接続が十分でなく漏水が発生し、階下を汚損したという場合や、看板の取り付け不備によって引き渡し後に落下してしまい、その下に駐車していた車を壊してしまった場合などのために、生産物賠償責任保険に加入しておきましょう。 この保険は、工事が完了した後で見つかった不備や欠陥により、損害を与えてしまった時に補償されます。 □請負賠償責任保険 塗装中、ペンキの入った缶が落ちて通行人の衣服を汚した場合、作業現場から工具を落として通行人にケガを負わせたという場合のために、請負賠償責任保険に加入しておきましょう。 この保険であれば、作業中、他人や他人の物に対して損害を及ぼした時に補償されます。

従業員個人が備えるために加入しておきたい保険

現場作業中に脚立から転落してケガを負ったり、猛暑の中で作業を行っていたら熱中症で倒れてしまうこともあるかもしれません。 労働中や通勤中の事故は労災保険から補償されますが、それでは不足が生じる分を上乗せしておきたい時や、ケガや病気で働けなくなった時のために備えておきたいなら、傷害保険や所得補償保険で備えておくことも必要です。 □会社が加入しておきたいのは使用者賠償責任保険 労災事故で従業員や遺族から損害賠償を請求された時のために、使用者賠償責任保険に加入しておくと備えになります。

他にも様々なリスクに備えておくことが必要

他にも、台風で工事中の建築物に損害が及んだ場合や、現場に保管しておいたものが盗まれた場合のために備えたいなら、建設工事保険に加入することが必要です。 また、万一、取引先が倒産してしまったことで債権が回収できなくなった時のためには取引信用保険という保険もあります。 建設業者は色々なリスクを抱えていますので、万一のために保険でしっかり備えておくようにしましょう。