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建設業界で深刻化する労働者不足の根本的な原因とは?

2019.09.05
分類:その他
現在、日本は高齢化が進み、若い働き手となる世代が減少しています。そのため、人手不足に頭を抱える企業も少なくないですが、特に建設業界は労働者不足の問題が深刻化しています。 労働人口の減少による打撃はどの業界でも同じはずなのに、建設業ではさらにその問題が顕著にあらわれている状態ですが、その背景には建設業界に興味を抱く若い世代が少ないからです。

若い世代が建設業界に抱くイメージとは?

若い世代が建設業界に興味を抱かない理由として、「きつい・きたない・きけん」の頭文字をとった「3K」という職種に該当するというイメージが強いからです。 他の業種なら週休二日制は当たり前なのにまだまだ定着できていなかったり、肉体労働であることで身体的な負担が大きく、外で作業をする仕事になるので土や誇りなどで汚れてしまうと感じてしまうのでしょう。 現場によっては高所で作業することもありますし、建設機械などの操作を間違ってしまうと、危険も伴うからです。

若い世代が職場に求めるものはやりがいや楽しさ

現在の若い世代は仕事にやりがいや楽しさを求める傾向があるため、人間関係を重視します。一昔前のように、叱咤激励を受け鍛えてもらうといった感覚が薄く、叱られると耐えきれなくなり辞めてしまうこともあるようです。 そもそも建設業界で働きたいと希望する若い世代が減少しているのに、肉体労働や現場の厳しさに耐えられなくなり辞めてしまう人数が多いなど、離職率も高いことで人手不足になりやすい状態といえます。

日本では資格取得が給与に反映されにくいことも要因に

ドイツやオーストリア、スイス、ベルギーなどにはマイスター制度といった、類稀なる技術や技能の職業教育制度が設けられています。 このマイスター資格を取得するまでは厳しく長い道を歩むことになります。専門的な知識や技術を磨いて熟練工の試験を受け、職業学校などで教育期間を経た上でようやく試験を受験できます。 日本でも労働者のスキルや技能に合わせた検定なども実施されていたり、建設キャリアアップシステムなどの制度もありますが、その資格取得が直接給与の向上に繋がっていないケースもあるようです。 正しく評価はされても、具体的な給与額はそれぞれの建設業者の裁量によるため、建設業界で働く労働者が安い賃金だと感じてしまうこともあるようです。

建設業界のイメージを変えることが必須に

深刻な人手不足に頭を悩ませている建設業者も少なくありませんが、状況を改善させるためにももっと若い世代に建設業界に興味を持ってもらうことを検討しましょう。 そのためには労働環境の改善など、建設業界のイメージを改善させることが必要です。