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建設工事現場から発する振動への対策は具体的にどのように行う?

2019.09.19
分類:その他
近隣住民などに不快感を与えてしまう振動には、工場や建設工事、道路交通、鉄道などいろいろあります。 この中で建設工事現場における作業による振動は、建設機械をどのように稼働させているか、施工や使い方、土質の条件などにより、振動がどのように発生するのか、伝搬するかなど複雑です。 そのため、建設工事現場の作業による振動対策は、他の騒音対策より対応が技術面で困難な部分があり、近隣住民などからの苦情に繋がることも多いといえるでしょう。 不快感ではなく、だんだんと恐怖感に繋がることもあるため、建設作業による振動の特性を理解し、どのように振動対策を行えばよいか考えていく必要があります。

ソフト面での振動対策の例

建設工事現場から発生する振動をできるかぎり抑えるため、対策としてはハード面での対策だけでなく、住民に対する伝達などを含めたソフト面での対策も必要です。 ここではソフト面での対策として具体的に何を行えばよいか説明していきます。

建設機械を稼動させる時間を抑制する

工事開始時刻が午前8時という場合、一般的に昼食を取る時間帯となる12~13 時は建設機械を稼動させることを自粛したり、休日は振動を発する作業は行わないなどを検討しましょう。

速度警報装置などで制限速度を周知させる

制限速度を超えた走行が工事用車両にあった場合、速度警報装置が作動して音声と画面表示でオペレータに知らせるという方法もあります。 一般道で工事用車両を走行させる場合は、沿道にある住宅に振動が伝わることを抑えるために、交通誘導員が先導して時速 5 km/h 程度に速度を抑えること、または走行速度を調査する監視員の配置などで、速度データを管理するといったことも行うとよいでしょう。

建設機械オペレータに対する教育の徹底

建設機械のオペレータに対して教育を徹底して行い、急発進や急停止は行わないこと、不要な動作や過度に負荷がかかる動作などを回避することで、振動を抑えることができるはずです。

近隣住民などとのコミュニケーションを円滑化させる

大きな振動が発生する可能性がある建設作業においては、前もって近隣住民に対し、どのような工事を行うのか、振動が発生する可能性などについて説明を行うとよいでしょう。 仮に作業で振動を感じた場合でも、苦情という形ではなく日常内のコミュニケーションとして解決できることもあります。 また、工事見学会や音楽会を開催する、または実際に建設機械に試乗できる体験会などのイベントを開催し、工事現場をオープンにすることによって近隣住民とコミュニケーションを円滑にすることもできます。