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タイムリミットはすぐ!建設業界で行う働き方改革による時間外労働の上限整備

2020.05.03
分類:その他
長時間労働が問題視され続けていた業界は多く、建設関係の仕事も例外ではありません。そこで、時間外労働に上限を設ける働き方改革が行われることとなったわけですが、大企業は2019年4月、中小企業は2020年4月から適用されています。 ただし建設業は原則どおり実施されるのではなく、一定期間の猶予が与えられていますので、時間外労働の上限規制の導入までどのようなことに取り組むべきなのか把握しておきましょう。

建設業は2024年から!

実質、建設業で時間外労働における上限の規制が適用となるのは2024年4月1日以降です。本来、中小企業でれば2020年4月から適用されているはずですが、建設業は適用業種ではないため猶予期間が設けられています。 しかし2024年からは、災害復旧や復興などを目的とする事業などのように、特別な事情がない限りは月45時間、年360時間以内の時間外労働に制限されることになります。 仮に時間外労働の上限規制に違反した場合には、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金の対象となるとされていますので、働き方改革による時間外労働は正しく守ることが必要です。

なぜ建設業は猶予期間が設けられている?

時間外労働に上限を設ける上で、一定期間の猶予が認められているのは建設業だけでなく、自転車運転業務や医師などの業種です。 中でも建設業は長時間労働の傾向が高めで、年間実労働時間の平均が他の産業よりも多いことが特徴といえます。 その上長時間労働が常態化している状況であり人手不足も深刻化していますので、他の産業と一気に足並みを揃えることは難しいとされ、規制を受けるまで一定の猶予期間が設けられているのです。

早めの労働環境整備が必要

建設業は2024年4月までの5年間で、時間外労働の上限を守る労働環境を整備することが必要です。 規制が適用されれば時間外労働は原則として月45時間・年360時間以内となり、特別な事情が認められるとしても年720時間以内・単月100時間未満に抑えなければなりません。 2019年4月からは、建設業を含むすべての業種において、10日以上の年次有給休暇が付与される労働者を対象として、年5日は有給休暇を取らせなければならないとされています。 有給休暇を取得させなければ、従業員1人あたり最大30万円の罰金の対象となってしまうのです。 現場で週休2日が確保できていない状況も多く、時間外労働の上限と同時に働き方改革を行っていくことが建設業界各社の大きな課題となっているといえます。