建設業界のICT化を成功させるため解決しなければならない課題とは
日本は少子高齢化が進んでおり、労働力が今後も不足し続けることは明らかといえます。
建設業界に限らず、どの産業でも人手不足という課題を解決する取り組みを検討しなければなりません。
中でも特に人材が足らない建設業界では、人手不足解消に向け「ICT」や「IoT」などを導入することも検討されていますが、成功させるために解決させなければならない課題も残っているといえます。
建設業界のICT化が望まれる理由
ICTとは「Information and Communication Technology」の頭文字を取った略称であり、コミュニケーション・情報共有技術を指しています。
建設業界にICTを導入することで、たとえばスマホやタブレットを使い図面や工数を確認すること、映像システムを使った遠隔による業務指示を可能にするといったことができます。
これまでであれば、現場監督が現場と事務所を行き来しなければならなかったものが、映像で進捗確認できるようになり業務も効率的に進むようになるでしょう。
さらに図面の確認も紙媒体ではなくタブレットなどデジタル端末を使用することにより、情報共有や管理、修正などがスムーズにできます。
ICTの活用で業務を効率化できれば、人の手を借りずできる作業が増え、人手不足解消と生産性向上をどちらも解消できることが期待されます。
建設業界のICT化を成功させるために解決しなければならない課題
そもそも建設業界のICT化は、人材不足や低い生産性などの課題を解消させることを目的とします。
建設業界は「きつい・汚い・危険」といった3K職場のイメージが強く、若手の入職者が年々減少傾向にあります。
事故や労災が起きないような対策も必要となりますし、電子機器や通信技術などでICT化するだけでなく、清潔で安全な職場を作ることも必要です。
建設業は中小企業が多くを占める
しかし建設業界での働き方や職場環境が大きく改善されないのは、業界を構成している多くが資本金1千万円以下の中小企業だからと考えられます。
資金体力が十分でない企業が多いため、現場にICT技術を導入したくても、資金がなく設備投資できないといった問題もあります。
建設業界は元請けから下請け、下請けから孫請けへと仕事が発注される重層下請構造であるため、この建設業界独特の縦割り分業構造により資金繰りが悪化しやすいといった状況です。
今後、建設業界をICT化させていくためには、資金面の問題は縦割り分業構造の排除など、独自では解決できない部分が解消されなければならないといえるでしょう。