建設スタートアップへの出資が増えているその背景にあることとは?
国内でスタートアップといわれる企業の資金調達の金額は、現在、右肩上がりに大きく伸びているといえます。
特に建設スタートアップは、億単位で資金調達しているケースも多く、建設専門のベンチャーキャピタルファンドなどでは数十億円を投資し、IT技術で建設業界を革新させるコンテックを促進することを目指す動きも目立ってきました。
また、大手ゼネコンや建設会社などがスタートアップに出資したり協働したりといったケースも増えており、大手が新興企業を募集して支援しながら事業の共創をめざすことに注力していることもあります。
そこで、なぜここまでスタートアップに対する期待が大きくなっているのか、その背景について解説していきます。
建設スタートアップが注目されている理由
建設スタートアップに期待が高まっているその背景には、建設業界の慢性的な人手不足が関係します。
現場で働く技術者は高齢化が進み、若い人材は集まりにくくなっているため、このままでは2025年には約35~90万人という数の技術者が不足することが予測されています。
若い人材が集まりにくくなっているのは、従来の3Kのイメージが根強いことなどが関係しており、建設業界よりもIT業界などのほうが注目されているからです。
人手不足問題が解消されない中で、業務効率化や省人化、生産性向上などの問題を解決しなければならない状況にあります。
これらの問題は従来までの業務のやり方では解決することはできないため、新たな発想や視点から最新技術を駆使し課題解決へ導くスタートアップが注目されているといえるでしょう。
また、大企業では組織の規模が大きく、物事を進めるためにも決断まで時間がかかります。しかしスタートアップであれば、迅速・柔軟に物事を決断し、対応できることが大きな強みです。
大手の建設会社などもスタートアップと協力しあうことで、互いの事業を強化したり新サービスを創出したりということが可能となると考えられています。
建設スタートアップの多様なフィールド
建設スタートアップで採用されている最新の技術やサービスとして挙げられるのは、
・ドローン・レーザー…ドローンやレーザーの開発・測量・点検
・プロジェクトマネジメント…企画・設計・施工まで工事全体の過程を見える化する
・センシング・IoT…センサーなどを使い現場の様々な情報をデータ化する
・マーケットプレイス…インターネット上で建機・建材などを売買する
・マッチングプラットフォーム…工事の受発注や現場作業員をマッチングする
などです。
新たな企業が建設業界に参入することや、技術が進化することによってさらにこのフィールドは広がることも予想されます。