生命保険の転換を考える場合には、いくつか注意すべきことがあります。保険会社の担当者から保険の転換を勧められた時には、自分にとってどのようなメリットがあり、デメリットがあるのかをしっかりと理解した上で慎重に検討しましょう。
それでは、生命保険の転換について少しおさらいをしてみましょう。
転換とは、簡単に言うと車などの下取りのようなものです。契約中の保険を一度解約し、それまで積立してきた解約返戻金を元にして新しい保険契約をする事を言います。
転換は、新規の保険契約になりますので必ずしも契約者にとってメリットばかりではありません。保険の担当者の言葉を全て鵜呑みにせずに、わからない事は自分で調べたり、保険のプロに相談するなどして慎重に行う事が大切です。
転換を勧められた場合には、下記のような点を確認しておきましょう。
・予定利率の変化
・保障内容の変化
・保険期間の変化
・保険料の変化
最低でも、これらの事についてチェックをして転換が自分にとってどれくらいのメリットがあるのかを明確にしておきましょう。
予定利率とは、終身保険などにある保険の積立部分の利率で、銀行等で言う利息のようなものです。
予定利率は景気によって大きく変動し、バブル期などの保険では予定利率はかなり高くなっており保険の契約者にとって有利なものになっています。
このような場合は、転換して新規の保険に加入すると予定利率は現在のものになりますので高利率の保険に加入している場合は転換をしない方がよいでしょう。
転換時に最も多いトラブルが、契約者が保障内容を把握していない事です。保険料を変えずに保障内容を厚いものにする場合は、終身部分を減らし、定期部分を増やすようになります。
また、保険期間が延長され60歳まで支払うようになるケースがあります。払い込み期間が長くなれば、当然総額も増えますのでトータルで見ると損をしているのです。
転換を検討する場合、毎月の保険料を少しでも少なくしたい、今のままの保険料で保障を手厚いものにしたいなどと言うケースが多いのですが保険料を下げて保障を厚くする事はまず無理です。
このような場合は、払い込み期間を長くするか、保障内容を下げるか、終身部分を減らすかという事になります。
生命保険の転換は一見契約者にも、メリットが多くありそうですが、内容をよく吟味すると実は保障内容が減っていた、保険料の総額が増えていたなどの落とし穴が存在するのです。
現在の契約と、転換後の契約内容をしっかりと理解してから変更しないと大きな損をする事にもなり兼ねません。