保険には、予定利率という物があります。保険会社は、契約者から預かった保険料を有価証券などで運用し利益を確保しながら将来の保険金に備えます。
運用によって、得られる利益をあらかじめ予想し、保険料から割り引いて算出する場合の利率を予定利率と言います。
予定利率が高いと、支払う保険料は安くなり、予定利率が低いと保険料は高くなります。
保険会社が、契約者に約束する予定利率の目安を標準利率と言います。2001年に、現行の1.5%から1.0%へ約12年ぶりに引き下げられる事になり各保険会社は、2013年4月から保険料を値上げする事が決まりました。
標準利率は、保険契約者を保護するための法定利率で、金融庁が各保険会社に対し最低利率を設定しています。
10月1日が基準日となっており、その利率が翌年4月1日から適用されます。
予定利率によって、実際の保険料はどれくらい変わるのでしょうか?
60歳払込済の終身保険に加入している30歳男性、死亡保険金1千万円の場合を例に見てみましょう。
予定利率 5.5% 月払保険料 10,100円
予定利率 3.75% 月払保険料 13,700円
予定利率 1.65% 月払保険料 21,500円
このように、予定利率によって月々の保険料は倍以上違ってくることがわかります。
予定利率5.5%はバブル期前後の最も良い物で、この頃に加入している保険は予定利率が高いので「お宝保険」と呼ばれています。
この頃の保険に加入している人は、貯蓄性に大変優れていますので、出来るだけ解約せずに保険を継続しましょう。
では、予定利率の推移と今後の予想を見てみましょう。
・昭和21年 3%
・昭和27年 4%
・昭和50年 5~5.5%
・昭和56年 5~6%
・昭和60年 5.5~6.25%
・平成2年 5.5~5.8%
・平成6年 3.75%
・平成8年 2.75%
・平成11年 2%
・平成25年 1~1.5%
上記のように、バブル期前後の1980年~1992年までは予定利率が5%を超えて、大変お得になっていますが、以降は予定利率が低下しています。
そして、2017年4月から各保険会社の保険料は一斉値上げされる事になりました。
その背景には、マイナス金利を受けて金融庁が標準利率を1%から0.25%に引き下げられる事などがあります。
今後も、予定利率は下がり保険料は上がる事が予想されます。
予定利率と、毎月の保険料は大きな関係があります。バブル期の、お宝保険に加入している人は、とてもよい利率ですので大事にその保険を継続していくようにしましょう。
また、保険料の値上がりのタイミングで一度自身が加入している保険について見直しをするのも良いでしょう。