経営者・従業員向け保険情報ラボManagement and Employees Information Lab

死亡保険金は遺産として分けられるのか?遺産分割と保険金

2018.01.29
分類:死亡保障

生命保険金は、遺産分割の対象となるのか?気になっている人は多いのではないでしょうか?相続における生命保険の扱いについて詳しくみてみましょう。

 

【相続と生命保険金の扱い】


生命保険に加入している被相続人が亡くなった場合、受取人には死亡保険金が支払われますが、死亡によって支払われた保険金は遺産分割の対象にはならないのが原則です。この場合、相続の対象にはならず、生命保険受取人の固有の財産になります。
もし、受取人として被相続人が指定されていた場合や、受取人の設定がされていない場合も相続財産とはなりません。
しかし、例外もありますので次のような場合は注意が必要です。

 

【特別受益】


特別受益とは、簡単に言うと被相続人の生前に受けた贈与、または被相続人の遺言によって受けた贈与のことを言います。
例えば、結婚の前に受け取る結納金や、マイホーム購入で支援を受けた贈与、遺言によって受けた贈与などは特別受益に該当します。
相続が発生した場合、この特別受益は遺産に加えることになります。死亡保険金は原則として、特別受益にはなりませんが、以下のような場合は特別受益になります。
「遺産の額やその他の事情に照らし合わせて、受取人と他の相続人が著しく不公平になる場合、特別受益になる」と規定されています。
例えば、遺産の総額に対して死亡保険金の割合が6割以上の場合、受取人である妻と被相続人の婚姻期間が短い場合などは特別受益とみなされます。

 

【死亡保険金はみなし財産となり課税の対象になる?】


生命保険金は、原則として受取人固有の財産となるため遺産分割の対象にはなりませんが、みなし相続財産となり、課税対象になります。
しかし、生命保険金にはある一定の非課税枠があります。代表的なみなし財産は、生命保険金、死亡退職金があり、死亡により発生した相続で死亡時に被相続人に帰属していた財産ではないものを言います。
みなし財産は、民法上では相続財産ではなく、相続手続きなどは必要ありませんが、税法上は相続財産とみなされ課税されるケースもあるため注意が必要です。

 

【まとめ】


このように死亡保険金は、原則として遺産分割の対象にはならず受取人固有の財産になります。またその場合、みなし財産となり課税されるケースもありますので注意しましょう。
そして生命保険の受取人になっている場合は、相続放棄をしていても保険金が支払われ、相続税の課税対象になることを覚えておきましょう。