飲食業界がかかえる問題とは?ピンチは実はチャンス?
夢と希望を持ち、思い切って脱サラして念願の飲食店をオープンさせたのに、思うように客足が伸びずたった数年で廃業に至ってしまう…。そのような話はけっしてめずらしいことではありません。
飲食店を始め、繁盛させようと思えば、集客に対する戦略を立てておくことが必要となりますが、どのように何を取り入れればよいかわからず、そこまで手間をかける時間や費用もないという場合も少なくないようです。
また、飲食店の経営が厳しいのは、様々なことが背景にあり消費者の動きを鈍くさせていること関係しているので、どのようなことが問題となるのか考えておきましょう。
中食の存在が飲食店を脅かす?
飲食業界のライバルとなるのは中食の存在です。外で食事を取る時間がなく、お金もなるべくかけたくないという方たちは、スーパーやコンビニ、デパートの地下の食品売り場でお弁当やお惣菜を購入し、温めて食べるという中食に依存しがちです。
お弁当やお惣菜はすでにできあがった状態なので、買っておけば暇ができた時に好きなタイミングで食べることができ、手間や時間をかけずに食事をとることができます。
外食する時間やお金がもったいないという方にとって、中食の存在は非常にメリットがあるように感じられるのでしょう。
その上、日本は深刻な少子化と高齢化という問題を抱えており、ますます顧客が減少する傾向にあると予想されます。これまでは若い世代が中心となり、飲食業界を盛りたててきたのに、その若い世代がだんだんと少なくなるのです。
少子化や高齢化は顧客減少だけにとどまらない
この少子化や高齢化が進む問題は、顧客を減少させるだけにとどまらず、飲食業界が深刻な問題として捉えている人手不足の問題にも直結します。
ただでさえ担い手が少ない状況なのに、そもそも激務であることから人手が定着しにくく、少ない人数で現場を回せば一人にかかる負担は増え、新しい人材を教育し育てるという余裕もなくなってしまいます。
さらに食品の原材料は自然のものなので、近年多く見られる異常気象などが影響し、価格の高騰などで安定した供給が難しい場合もあります。
原材料のほとんどを輸入に頼っている状況の日本では、為替の変動の影響も受けやすいのでその点も理解しておくことが必要となるでしょう。
人手不足を解消するための工夫を
飲食店を始めても、よいことは何もないのでは?と思うかもしれませんが、外食業界でも機械化やシステム化など人手不足を解消するための取り組みが始まっています。
セルフ対応にしたり、入店の受け付けを機械で自動化させたり、電話で受け付けしなくてもインターネットから予約を可能とするなど、人手を必要としない方法でサービスの提供が多く行われています。
人手不足は飲食業界にとって確かに問題ですが、機械化やシステム化することで人件費を削減することなり、毎月発生する固定費を抑え収益に繋げやすくなるとも考えられます。ピンチはチャンスととらえ、新たな取り組みや手法を採用してみるのも方法の1つといえるでしょう。