小売飲食業情報ラボRetail and Restaurants Information Lab

飲食業界の動向を確認!今厳しい状況にある理由とは?

2020.02.25
分類:その他
飲食業界の中でも外食業界は、人口減や高齢化により需要が縮小している状態であり、外食はコストがかかるという消費者の節約志向などが高まることに対応するため低価格化が進んでいます。 市場規模は縮小している理由は他にも考えられますので、すでに飲食店を経営している方、これから経営しようと考えている方は今後の動向について知っておくことが必要です。

中食産業市場は拡大しているのに外食産業は縮小?

節約志向の高まりによる低価格化の進行に加え、スーパーやコンビニエンスストアなどの中食市場は拡大していることも、外食産業のニーズ低下につながっているといえます。 他業種との競合が厳しさを増している状況の中、外食フランチャイズなどチェーン店が増えてはいますが、新規で出店する上での人材不足の問題は解決に至っていません。 ファミリーレストランやファストフードなどを利用する顧客が多いのに対し、居酒屋業態などを利用する若年層は少なくなっています。若い世代がお酒をたしなむ習慣はだんだんと少なくなり、高齢者なども健康管理において酒量を控えるなどといった傾向が見られ、酒離れにより厳しい状態です。 食の安心・安全に対する消費者の意識は向上しており、食材を国産のものに限定するといった付加価値をつけることで注目される店舗もあります。 ただ、ファミリーレストランやファストフードなどがちょい呑み需要に対応するなど、やはり居酒屋などにとっては厳しい状況が続いているといえるでしょう。

高齢化や夫婦共働きがその背景に?

外食業界は、中食や宅配を利用する消費者が増えたこと、そして人材獲得が思うようにできず、原材料を調達する上で発生するコストの上昇などにより、厳しさを増している状況です。 日本は高齢化が進んでおり、さらに夫婦が共働きという世帯が当たり前となってきました。 この社会的な構造の変化が、外食ではなく惣菜や弁当などを取り扱う中食市場を拡大させているといえます。 そもそも人口が減少している日本では、今後、生産年齢人口も減り続けます。新卒の学生が外食産業を選ぶことが少ないのは、過酷な労働環境というイメージや低賃金というネガディブな印象が影響していると考えられるでしょう。 そのため多くの外食産業で、正社員ではなくパートやアルバイトの採用率を高めている状態ですが、それでも希望者がおらず人材獲得に苦労している状態です。今後も人件費の抑制を図りつつ、離職率低減に対応することがより重要となるでしょう。