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飲食業界に与えた消費税増税の影響とは?実際客足に影響はあったのか

2020.03.05
分類:その他
2019年10月から消費税が増税され、軽減税率制度が実施された後、飲食業界にはどのような影響があったのでしょう。 実は飲食店の経営者の半数が客足の減少を感じており、消費税が増税される前から外食業界全体で客足が伸び悩むのではないか…と懸念されていたものの、結局その通りの結果になってしまいました。 わずか2%の増税だと感じるものの、全体でみれば飲食代の1割が消費税として加算されることは負担が大きいものであり、外食は控えて自宅で食べることを考える方が増えたといえます。

飲食店の経営者が感じているのは客足の遠のき

そして消費税の増税により、客足が減少した以外にも売上管理などの経理業務が煩雑化してしまったと感じる経営者も多いようです。 新たなレジ設備の導入にメニュー表記の改定など、消費税が変更されたことで様々な対応が必要になってしまいました。 特に軽減税率への対応がとても面倒で、税率は軽減されても労働負担は大きくなり、結果として利益は減少していると感じているようです。

仕入れの際にも消費税増税が影響

そして仕入れを行う際にも、食材は消費税率8%なのにアルコール類は10%と種類が異なり、ただでさえ人手が不足する中で事務的な作業が増やすことになったといえるでしょう。 仕入れと販売に2種類の税率が存在しているため、会計処理が煩雑化してしまったのはいうまでもないことです。

店内飲食とテイクアウトでミスが発生し…

そもそも顧客の中には軽減税率の対象となる商品の線引きなどがよくわかっておらず、その対応に手間取るといったことも負担になってしまったようです。 店内で飲食した後、追加でテイクアウトを注文され、新しく導入したレジの使い方が慣れず税率を間違ってしまいクレームを受けるなど、さらに売上低迷につながる現象が起きてしまっているといえるでしょう。

大手外食産業でも消費税増税への取り組みを実施

実際、大手外食産業などでも客足減少を懸念して、消費税増税への対応策が多く取り入れられました。 例えば大手牛丼チェーンの吉野家では期間限定で牛丼を10%割引するといったキャンペーンを実施し、大手ファストフード店のマクドナルドでも約7割の商品を増税前の税込価格に据え置くといった対応を行いました。 他にも安さをウリとする飲食店などは、消費税増税により価格が値上げされたと感じられない工夫や対策をいろいろと行ったといえます。 現在では消費税10%の状況に慣れてきたとはいえ、厳しい状況に変わりはありません。2020年は外食業界にとって勝負の年になるといえるでしょう。