飲食業界は離職率が高め!その理由はどこにある?
日本の外食産業など飲食業界の離職率を確認すると、新卒採用された方が3年以内に辞めてしまう割合は約半数となっています。
産業全体の平均は3割程度であることを考えれば、外食産業の離職率の高さが浮き彫りになっている状態といえます。
そこで、なぜ飲食業界などの離職率は高いのか、まずはその要因を把握し改善していけることを検討していきましょう。
過酷な労働環境とそれに見合わない給料
外食産業の離職率が高い理由として挙げられるのは、処遇を改善するために必要とする人材や賃金が確保できていない状態なのに、顧客ニーズに対応しようと深夜までの営業や24時間営業を常態化させてしまったことにあります。
そもそも人手が足りておらず、1人が行う作業や業務も多くなりがちです。さらに作業空間は生鮮食品を扱うのなら低温、蒸し物や焼き物、揚げ物など調理する空間は高温と、厳しい労働条件です。
長時間立ったままの状態で同じ作業を繰り返すことになるなど、過酷ともいえる労働環境の中で給料が安ければ、人材を雇用しても続かずすぐに辞めてしまうこととなるでしょう。
安定した雇用形態でないことも理由
また、飲食業界は正社員雇用よりもパート・アルバイトなど非正規雇用がメインとなっています。
大学生をアルバイトで雇用した場合、卒業・就職と同時に辞めてしまうこととなるでしょう。主婦なども子どもの成長に従い、就業を続けることが難しくなることもあります。
特に新型コロナウイルス感染症の影響により、パートやアルバイトなど休業を余儀なくされたり雇用を切られたりという事態も発生しました。緊急事態の際に雇用が保証されにくく、不安定な雇用状態のままで長く続けることはできないと考える方もいるようです。
それに加え、現在では中食が注目されるようになっていることから、店舗経営していても黒字経営できている店は実際のところそれほど多くありません。
赤字経営でいつつぶれてしまうかわからない状態であれば、雇われる側もやはり不安を感じながら働かなければならなくなるため、安定した職や他業種を求めて転職してしまうことにつなげてしまいます。
離職率を低下させるためにまず必要なこと
中小の飲食店経営では資金力は乏しく、生産性を向上させる投資も難しい状態です。それに加え薄い人材層により、柔軟な雇用形態の導入や就労環境を確保しにくいため、さらに人材不足を深刻化させてしまっているともいます。
職場環境を改善させ離職率を低下させるためには、まずは現場とのコミュニケーションを積極的にとり、従業員目線でものごとを考える企業努力が必要となるといえるでしょう。