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運送・物流業界を悩ませる配達頻度の高い小口配送の特徴とは

2022.08.09
分類:経営

運送・物流業界における小口配送とは、配送先1か所に対し、少量の貨物を配送する輸送形式のことです。

1つの届け先に1個の荷物を配送する宅配便や、コンビニエンスストアなどの小売店に対する分け配送などが含まれますが、配達頻度は高くなります。

大口配送なら、1つの届け先に対する荷物は、トラック1台に積み込まれた大量の貨物であるため、配達頻度もそれほど高くありません。

従来は一定量の貨物を一括配送することが多かったですが、EC需要などの高まりが影響したことや、在庫商品の廃棄リスクを回避する動きや管理コスト削減などが重視されるようになったため、大口配送は減少しつつあります。

ただ、配送頻度の高い小口配送は、運送・物流業界を悩ます問題となっているのも事実です。

配達頻度は高くてもメリットもある配送

小口配送は、消費者のニーズが多様化した今では、在庫の廃棄リスク回避や管理コスト削減などにも対応できることがメリットです。

たくさんの種類の商品を販売しなければならないスーパーや小売業などは、多く商品を仕入れても保管できるスペースが限られます。

しかし小口配送が利用されれば、在庫量を細かく調整し、特に食品などは在庫を抱えることで鮮度の落ちた不良在庫を生むリスクを回避できます。

必要なときに必要な量を発注できるため、配達頻度の高い小口配送が多く利用されています。

 

物流コストが上がることは大きなデメリット

小口配送は、輸送効率が悪いことや、配送料と人件費がかさんでしまうことがデメリットです。

物流コストの上昇で、商品の価格上昇を起こすこととなれば、売上にも影響が及んでしまう可能性があります。

日本では企業側が送料を負担することが多いため、配送コストはできるだけ増やさず軽減させることが必要となるため、物流コストの上昇は避けたいものでしょう。

また、配達頻度が増えればトラックが走行するときの燃料消費量も増えてしまい、CO2の排出量を増加させます。

環境問題が重視されている今、保護の観点から問題となることも考えられます。

一か所の配送先に対する複数の配送業者が重なれば、店舗の前にアイドリング状態のトラックが並ぶようになり、さらに環境汚染に繋がってしまうリスクも高めてしまいます。

待機時間も長くなってしまうため、長時間労働が問題視されているドライバーの働き方にも影響することになるでしょう。