運送業界に「事業継続計画(BCP)」とは、万一企業や組織が災害やテロ攻撃などで緊急事態に遭遇したとき、資産の損害は最小限に抑えながら中核の事業を継続・早期復旧させるために行う手段を取り決めておくことです。
平常時に何をするべきか、活動内容や事業を継続させる方法などを計画しておきます。
もしも緊急事態が起きたとき、事業を継続させることが困難な状況に陥らないために、普段から事業継続計画(BCP)を周到に準備することが必要です。
全日本トラック協会でも事業継続計画(BCP)を進めるため、中小トラック運送事業者のためのリスク対策として、事業継続計画書作成の手引きを制作・公表しています。
運送トラック事業が事業を継続させるには、運送サービスを停止させないことが必要です。
自然災害や感染症の流行、重大事故など様々な災害事象を想定しながら、どのような状況で運送サービスが止まってしまうのか想像してみましょう。
その上で、緊急事態が発生したときにできる限り運送サービスを止めず、短時間で復旧させるための事業継続計画(BCP)を策定していくことが必要です。
経営資源の損害を最小限に抑え、重要となる事業を継続させ早期復旧させるための平時・緊急時の対策、代替手段などを取り決めておくこととなります。
トラック運送事業を停止させないための準備として、次の4つを検討してください。
・重要業務を軸に想像する
・リスクを洗い出す
・代替手段・事前対策・復旧対策の検討
・優先順位の設定
それぞれの内容を説明していきます。
運送の重要となる業務は、
・受注
・運行管理
・配送
の3つの分野に分けることができます。
不測の事態が起きたときでも、優先して復旧させるべきなのはこれらの分野の業務といえるため、これらを軸にリスクの洗い出しと業務が中断したときの影響を想定していきましょう。
輸送が停止してしまったり運送サービスが継続できなくなったりという、リスクやボトルネックを洗い出します。
・重要業務を遂行するために必要な経営資源の洗い出し
・重要業務を中断させるリスクの洗い出し
この2つの洗い出しが済んだら、必要な代替手段などを検討してください。
経営資源の代わりになるものや手段、減災に向けて前もってできる対策や早期復旧の対策を検討することが必要です。
限られた時間で効率的に効果を生むことができる取り組みを進めるためには、それぞれの対策に優先順位を設定するようにしましょう。