幹線輸送とは、輸送拠点にエリアの荷物を集中させ、別の拠点にまとめて輸送機関で運ぶことです。
大量輸送機関を使って運ぶことで、運送コストを削減することができます。
国も幹線輸送を効率化させるために、令和3年7月に「物流生産性向上に資する幹線輸送の効率化方策の手引き」を公表しました。
そこで、運送コスト削減に向けた幹線輸送の効率化を知るためにも、国の手引きの内容を一部紹介していきます。
現在、物流業界は人材不足が深刻化しており、特にトラックドライバーは人手が足らず高齢化も進んでいます。
若年層の働き手が増えず、高齢化が進んでいけば、従来通り荷物の運送ができなくなる可能性も出てくるでしょう。
人手不足解消に向けて、荷主と物流業者が一体となり、生産性向上や業務効率化などによる持続可能な物流を実現させることが必要となり、その方法の1つとして注目されているのが幹線輸送といえます。
国の手引きでは、
・幹線輸送を効率化するために必要となる物流拠点の整備
・モーダルシフト
・トラックによる幹線輸送の効率化
の3つの考え方を整理しています。
この中で、
・幹線輸送を効率化するために必要となる物流拠点の整備
・モーダルシフト
の2つを紹介していきます。
幹線輸送を効率化するためには物流拠点を整備することが必要ですが、その方法として次の2つが考えられます。
・リードタイムは長くなっても搬入ロットを拡大することによる幹線輸送の大ロット化を図る在庫型DC拠点の活用
・地域の集配効率化のために共同活用する通過型TC拠点の活用
まず在庫型DC拠点を活用するためには、次の3つに取り組んでいきましょう。
・工場近隣で輸送回転数を向上できる集約拠点の立地を検討する
・集約拠点から輸送回数を増やすスケールを確保する
・サプライヤー側に在庫増を容認してもらう
もう一方の通過型TC拠点を活用するための取り組みは、次の3つです。
・地域の共同化のベースとなる荷主を見つける
・地域内の荷物量を確保する
・TC機能であるもののタッチ数が増えるためリードタイム延長の調整を行う
トラック輸送から船舶・鉄道輸送へとシフトするケースが多く見られますが、CO2 排出量削減に向けた環境対策として行われることがほとんどでした。
しかしトラックドライバー不足解消に向けて、モーダルシフトに取り組む例も増えたといえるでしょう。
生産工場の立地がない地域に対する輸送において、工場からの輸送が長距離に及びやすくロットが大きくなりにくい荷物のモーダルシフトを実施していきましょう。