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建設業における元請けとは?見積もり依頼や契約で守るべきルールを紹介

2024.11.27
分類:経営

建設業における元請けとは、発注者から直接仕事を請け負う立場の業者です。

 引き受けた仕事をすべて行うとは限らず、全部または一部を下請けに依頼することもあります。

 元請けと下請けの違いは、誰から仕事を請け負うかといえますが、建設業界では元請けと下請けの発注が次々に行われる重層下請構造が問題視されています。

 実際、元請けは下請けよりも立場が強いため、優位性を利用した不利な契約の持ち掛けなども見られるからです。

 そこで、建設業における元請けについて、見積もり依頼や契約で守るべきルールを紹介します。

元請けとは

 建設業界における「元請け」とは、工事発注者から直接、工事施工を請け負う業者のことです。

 工事の主導権があり、広範な業務を調整する役割を担います。

 下請けは、元請けから工事の一部または全部を請け負う業者です。

 元請けと下請けは、元請けが全体の責任の主体となり、下請け部分的な役割を担うという関係になります。

 さらに下請けから仕事を依頼された業者が孫請けです。

 なお、ゼネコン(ゼネラル・コントラクター)と呼ばれるのは総合建設業者であり、土木・建築工事などを元請けとして請け負い、プロジェクト・設計・施工・品質管理・工程管理・予算管理などの全工程を一貫して担当することが特徴といえます。

 

 下請けへの見積もり依頼の注意点

 建設業の元請けが下請業者へ見積りを依頼するときには、見積依頼書は書面でなくてもよいものの、工事内容はできる限り具体的に提示することが必要です。

 また、見積期間を設定することが必要であり、発注予定価格に応じその期間は決められます。

 やむを得ない事情などがあれば、5日以内に短縮できることもありますが、取引は立場の弱い下請けに不利益が生じないように行うことが必要です。

 

建設業における元請け契約

 建設業における元請け契約において、元請けは以下を守ることが必要です。

 ・民法の請負のルールが適用される。

・発注者から直接建設工事を請け負う元請けは下請契約における注文者となる

・下請けに見積もりに必要な期間を設けなければならない

・現場で数次にわたるすべての下請負人に災害補償の義務がある

・下請代金支払いの際に注文者から請負代金の支払いを受けた日から1か月以内かつ短期間内に支払いが必要となる

・工事完了時の検査期間は20日以内にする必要がある

・特定建設業者の場合は、工事目的物の引き渡しの申出から50日以内かつできるだけ短期で下請代金を支払う必要がある