運送ドライバーの賃金とは、運送業でトラックを運転するドライバーに支払われる給与です。
職種・勤務先・経験・スキルなどで異なるものの、人手不足が深刻化している運送業界では、生き残りをかけて運送ドライバーの賃金を改善する動きも見られます。
ただしみなし残業制度の場合、基本給と固定残業代が区別できないケースなどは無効とされるため注意が必要です。
そこで、運送ドライバーの賃金について、業界の平均とみなし残業制度における注意点を解説します。
運送ドライバーの賃金は、職種・年齢・貨物・走行距離などで異なります。
平均年収は420~450万円程度で、月給にすると32~35万円です。
ドライバーが収受する運賃が給与の原資となるため、売上といえる収受運賃が足らなければ、荷主と交渉したり積み合わせしたりなどで運行効率を上げて収益を増やさなければなりません。
賃金体系は運送業者により異なるものの、一般的に採用されているのは以下のとおりです。
・固定給(基本給+住宅手当)+無事故手当+皆勤手当+残業手当
・固定給(基本給+家族手当)+無事故手当+残業手当
・固定給(基本給)+食事手当+能率手当+無事故手当+皆勤手当
・日給または時間給(基本給)+残業手当+歩合給(運行手当または奨励給)
運送業の場合、業務の特性から固定残業代制度ともいえる「みなし残業代制」が導入されていることも少なくありません。
みなし残業代制は固定残業代制とも言われる残業代であり、一定時間分の残業代を固定額で前もって給与に含めて支給する方法です。
また、残業代に代わる手当などを定額支給するケースもあります。
運送業では明確な残業代のカウントが難しいなどの理由で、みなし残業代制を採用していることも少なくなりません。
しかし基本給と固定残業代の区別ができていないみなし残業代制は無効として扱われます。
また、基本給と固定残業代が区別できるみなし残業代制にしていた場合でも、実際の労働時間で計算した残業代が、固定残業代よりも多額の場合は、固定残業代とは別で固定残業代を超えた部分の残業代を支払うことが必要です。
どれほど残業をした場合でも、固定残業代を支払っているのだから超過分は支払う必要がないわけではなく、固定残業代で限りなく残業させられるわけではないため注意してください。