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運送業を株式会社で運営するメリットとは?個人事業主との違いを簡単に紹介

2025.07.06
分類:経営

運送業は、個人でも法人でも運営できます。

 株式会社を設立して運営することもできますが、個人事業主のままでも特にデメリットがない高い場合もあるため、慎重な判断が必要です。

 そこで、運送業を株式会社で運営するメリットについて、個人事業主との違いを簡単に紹介します。

個人事業主で運送業を運営するケース

 個人で運送業を開業する場合、法人が行う会社設立の登記は不要です。

 そのため、登記に費用がかからず、税務署に個人事業の開業届を提出すれば完了します。

 開業後に住所を移したり屋号を変更したりした場合も、登記手続は必要ないため費用や手間を省けます。

 しかし、商業登記簿の謄本で事業の実態を確認できません。

 新規取引先との契約においては、事業主の人柄やスキル、実績などが締結の判断材料になると考えられます。

 対外的・社会的な信用は、法人に劣ることは理解しておくことが必要です。

  

個人事業主で運送業を運営するメリット

 個人事業主で運送業を運営するメリットとして、交際費に上限がなく、接待費に使った飲食代などはすべて損金計上できます。

 また、青色申告で赤字決算だった場合には、翌年以降3年間、繰り越すことができます。

 赤字を繰り越した後は、3年間に渡り黒字と相殺が可能です。

  

 株式会社など法人で運送業を運営するケース

 株式会社など、法人で運送業を運営する場合には、会社設立の手続が必要です。

 設立にかかる費用の目安は27万円前後で、準備から手続完了まで3週間程度必要となります。

 会社設立後には、商業登記簿謄本で、事業内容は誰でも確認できるようになります。

 個人よりも事業実態の確認や情報取得しやすいため、社会的な信用力の向上で新規取引を結びやすくなるでしょう。

 接待交際費については、資本金1億円以下の会社であれば800万円までしか経費計上できません。

 しかし、個人と法人の売上と原価額が同じ場合でも、法人なら社長の給与を売上から差し引けるため、納税額を抑えられます。

 赤字決算だった場合も、法人なら損失を10年間繰り越しできます。

 そのため、節税対策で個人か法人か迷ったときには、法人の方が有利です。

  

 運送業運営を個人と法人で迷った場合の判断基

 運送業を個人事業主と法人のどちらを選ぶか迷ったときには、事業規模や目標で判断しましょう。

 たとえば、一般貨物自動車運送事業など、比較的規模の大きい運送業を運営するのなら、法人のほうがよいといえます。

 しかし、軽貨物運送事業など車両台数が少ないときには、個人事業主のほうがおすすめです。