
運送会社における費用の構造は、低コスト・薄利多売から、適正コスト・高付加価値へと劇的に転換しています。
荷主も、物流費用は削るべき経費として扱わず、製品価値を支える戦略的コストと捉え直すべきといえます。
物流コストは経営の根幹を揺るがす重要な課題であり、物を運ぶ支出に留まらず、社会インフラの安全性を維持する投資へ変化しました。
そこで、運送会社でかかる費用について、内訳や健全経営で求められることを解説します。
運送会社の原価を構成する費用のうち、最も大きな割合を占めているのが人件費です。
現場の人材不足が深刻な状況の中で、年960時間を上限とする時間外労働規制が定着し、ドライバー一人あたりの賃金単価は上昇傾向にあります。
労働時間を短縮しつつ、運送能力は継続するために、交代するドライバーを確保したり運行管理者を増員したりなど、従来との人件費比率の水準が変化しているといえます。
運送原価の4~5割は人件費といわれるほど、費用の多くを占めるため、うまく削減することが必要です。
運送会社の利益を圧迫する費用として、燃料費が挙げられます。
燃料費は、運送会社の利益を圧迫する不安定な要因といえるものの、ガソリンや軽油の価格が直結する以外にも、脱炭素社会への対応でコストが増えています。
EVトラックやFCVトラックを導入・運用するための費用が、新たな固定費として計上されば、より利益を圧迫することになるでしょう。
長期的にはコスト削減に寄与する費用でありつつ、短期でみればキャッシュフローを圧迫する要因になるため、財務管理を徹底することが必要です。
運送会社の業務効率化を目的とした、現場のDX化や設備投資が進んでいます。
そのため、IT投資も不可欠な費用として定着してきました。
動態管理システムやデジタルタコグラフ、自動仕分け機や予約受付システムなどを導入する際にかかる費用です。
いずれも高額な初期投資となるものの、荷主からの信頼を得て、ドライバーの定着率を上げる効果も期待できると考え、導入を検討しましょう。
運送会社の健全経営において、「標準的な運賃」の浸透と価格転嫁は欠かせません。
国土交通省の「標準的な運賃」は、運送会社が健全経営を維持して、安全投資や賃上げを行う上で欠かせない適正価格の指標です。
運賃に含まれると曖昧な扱いだった荷待ち料金や棚入れ作業、高速道路利用実費などは別途請求する慣習が浸透し、費用の透明化が進められています。