
デフレ(デフレーション)とは、モノやサービスの価格が下がり続け、相対的にお金の価値が上がる状態です。
長期に渡りデフレが続くと、運送会社から適正な利益と投資の余裕を奪い、業界全体を縮小させる恐れがあります。
物流インフラを維持するためには、安さを追求する商習慣は見直して、品質と安全に見合う適正運賃を設定することが欠かせません。
そこで、デフレの罠と物流危機の関係について、運送会社を蝕む負の連鎖の正体を解説します。
デフレとは、モノやサービスの価格が持続的に下落することにより、貨幣価値が相対的に上昇する現象です。
燃料費や車両購入費などは下がるため、コストが下がることはメリットと感じがちですが、荷主の収益悪化が運賃引き下げへの圧力となりかねません。
運送業界の全体を疲弊させる深刻な問題を引き起こす恐れがあります。
運送会社にとって、社会的インフラである物流がデフレにより脆弱化することは大きな打撃です。
実際、デフレになると運送会社には以下の影響が及ぶでしょう。
・物流コスト削減が加速する
・固定費の実質負担が増える
・人材流出が深刻化する
・安全投資が停滞する
・長時間労働などが常態化する
デフレでは、製造業や小売業などの自社製品価格は下落し、売上が少なくなります。
少ない売上で利益を捻出するために、物流費を削減することを検討するでしょう。
他社よりも安くできないなら契約を打ち切る姿勢を強められれば、中小零細がほとんどの運送会社では、生存をかけた低運賃での契約で継続せざるを得ない状態に追い込まれます。
デフレでは、物価が下がっても過去の債務や固定費は下がりません。
そのため、売上減少と貨幣価値が上がるの中で、デフレ前に契約したリース料や借入金返済、賃料などの実質負担が増えます。
デフレで運賃は下落したことを理由に、従業員のボーナスカットなどの賃金の見直しがあれば、他産業との賃金格差が広がって優秀なドライバーが離職すると考えられます。
残った従業員が過酷な労働を強いられ、さらに人材流出を深刻化させる恐れもあります。
デフレでは利益が削られるため、将来への投資がストップします。
最新の安全装置を備えたトラックへ更新することや、動態管理システムの導入などが見送られれば、物流インフラの老朽化や景気回復後の変化に対応できない組織の脆弱化を招きます。
長時間労働などが常態化する
デフレの中の低運賃で利益を確保しようとすれば、法令を無視した過酷な稼働が横行しやすくなります。
過積載や休息時間を削った長距離運転などが常態化すると、道路交通の安全を脅かすため、物流業界全体の社会的信頼を失墜させることになりかねません。