
税率の引き上げがあると、軽油引取税も変動するなど、運送会社のコストに大きな影響を及ぼします。
増税は運送業界に限らず、会社経営における収益構造や運行コストに直結する重大な経営課題といえますが、深刻な人手不足や燃料価格高騰に直面する中で重なると死活問題になりかねません。
そこで、増税による運送会社への影響や、急務となる運賃転嫁への壁について解説します。
税率が引き上げられると、運送会社では車両維持費や燃料費などのランニングコストの押し上げにより、利益を圧迫すると考えられます。
軽油引取税や消費税による負担も増えることや、免税事業者の一人親方ドライバーとの取引における税負担や事務が煩雑化することも問題です。
増税を理由に、物流削減を求めてくる荷主も増えるなど、コストカットの圧力を掛けられる恐れもあります。
税負担が増えることは手元の運転資金を減少させることになるため、資金繰りが悪化するリスクを高めます。
増税があれば、運賃に増えたコストを上乗せすることは正当な権利といえるものの、荷主の立場が優位なことが多いため、交渉が難航するケースは少なくありません。
運送業界は複雑な重層下請構造のため、下請けや孫請けの立場では、元請けである荷主に値上げを強く要求しにくい現実があります。
増税分を運賃に上乗せしない格安運送事業者があらわれれば、競合他社における激しい価格競争が起こり、自社の荷主を奪われる恐れもあるといえます。
増税によるコスト増は、業務効率化によって影響を最小限に抑えられます。
たとえば、AI配車システムなどを利用することで、無駄な空車を減少させる積載効率向上を実現でき、1運行あたりの採算を改善できます。
デジタルタコグラフを使った運転解析で、エコドライブの徹底と消費燃費の抑制などの管理も可能となるでしょう。
増税をきっかけに、社内の体質改善や構造改革を進めることで、強固な事業体制へつなげることもできます。
長距離輸送のモーダルシフトによる効率化を定着させることや、EVトラックなど次世代モビリティを導入することで、軽油引取税などの影響へ対抗することにつながります。
事務作業の完全デジタル化で、間接コストが削減できれば、増税で増えた負担を相殺できる可能性もあると考えられます。