
運送会社の売上高は、企業規模や市場における競争力を示す指標です。
EC重要の爆発的な普及で、物流需要は拡大しており、業界全体の売上高が増えています。
その一方、燃料費高騰や深刻な人手不足、時間外労働規制への対応で、売上が伸びても利益が残りにくい構造といえます。
そこで、運送会社の売上高について、市場の現状と向上へ向けた戦略を解説します。
運送会社は、国内の物流市場を支えています。
国内のトラック運送業の市場規模は、約15兆円に達すると言われており、すべての産業の中でも巨大規模といえます。
ただし、売上規模が数千億円を超える大手運送会社はごくわずかで、9割以上が中小・零細の運送会社であるなど、二極化が進み格差が生まれている業界でもあります。
EC需要が高まったことで物量は増加しているものの、単価の低迷が課題として挙げられています。
運送会社の売上高は、基本料金・付帯作業料(オプション)・荷材料金・保管料の加算の3つの要素で構成されます。
・運賃収入(基本料金)…距離・重量・サイズに応じて発生
・付帯業務料金(オプション)…荷役作業(積込み・荷下ろし)・棚入れ・検品などの運送以外の作業
・荷材料金・保管料…倉庫内での一時保管(保管料)・梱包資材提供など
運送会社の売上高には、利益が圧迫される業界特有のコストとボトルネックが存在します。
ボトルネックとは、処理能力や進行のはやさを最も遅い部分で制限する障害箇所や工程ですが、運送会社の売上高に影響する要因は以下のとおりです。
・荷主の優位な立場により、燃料費高騰分を請求しにくいなどの価格転嫁の遅れ
・残業時間の上限規制によるドライバーの稼働率の低下で1台あたりの売上上限が減少
・多重下請け構造により、中抜き発生による利益の目減り
運送会社では、持続可能な経営実現のために、売上拡大と生産性向上へ向けたアプローチが必要です。
具体的な戦略として、以下が挙げられます。
・標準的な運賃を基準とした、基本運賃とサーチャージを収受する価格交渉の実施
・AI配車システムなどのデジタル技術活用により、トラックの空車時間を減らす積載率向上の取り組み
・他社と荷物をシェアする共同配送で、稼働効率を高めて限られたリソースを効率化