インターネット上において、商品やサービスの売買を行う電子商取引であるeコマース。成長続ける市場規模であるeコマースに携わる企業は、原材料調達から生産・販売までの物流・管理の過程であるロジスティクスに対する投資も活発に行っています。
ロジスティクスが物流ととらえた場合には、商流の最初の段階であるマーケティングとは対局にあるといえます。
経営戦略におけるロジスティクスといえば、資産・資源で効果的な配置ということになります。顧客のところに届けるためにはどうすれば効率的・効果的に作業を行えるのか考えなければなりません。
eコマース企業を中心に日本企業もマーケティング、商品開発、ロジスティクスを1つにまとめるなど、ロジスティクスに関する様々な施策を仕掛けています。まさにロジスティクスに対する投資は経営戦略の大きな優先項目といえるでしょう。
なぜ物流業界でこれほどロジスティクスが重視されているのかというと、これまでマーケティングは顧客に対するリーチと購買までの領域だったことが変わってしまったことにあります。
ロジスティクスには時間やコスト、ニーズなどこれらすべてに応えなければなりません。そのためには様々なデータで分析を行い、リアルタイムの意思決定を必要不可欠としますので、今後、AI、IoTを含んだITが欠かせなくなるといえるでしょう。
物流倉庫では入荷された商品が並び、配送の頻度が高い製品は前に並べられます。その商品を配送するトラックにはデジタコが装備され、顧客のもとに届けられるタイミングまでの情報がデータ化されることとなり、そのデータが収集されます。
しかしマーケティングで集められたデータとは、その量や質は全く違ったものです。そして1つの荷主企業でこのようなデータを集め、分析した上で戦略につなげることは簡単ではありません。
物流機能の全体や一部を第三企業に委託し実現する物流業務形態である3PL企業では、ロジスティクスで豊富なデータを活用することが可能となりました。
日本ではロジスティクス領域におけるデータが蓄積されて活用されてきたのか最近のことです。大手通販企業でもロジスティクスにおける豊富なデータを活用できているとはいえません。
トラックドライバーなど労働者不足が叫ばれている物流業界ですが、本当に不足しているのは収集した大量のデータを経営戦略に落とし込むことを可能とする戦略の立案者ともいえます。
将来的にロジスティクスを起点とするマーケティング戦略は欠かすことができないと考えておき、それに対応する人材も必要であるといえるでしょう。