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従来までの倉庫のイメージが強かった物流施設はすでに変化している?

2020.08.02
分類:経営

物流施設の形は従来までのものと違い、商業ビルやオフィスビル、住宅などの建築物を対象とするものが増えています。

それは、物流施設の建物としての性能や機能の進化が目まぐるしく、商業ビルやオフィスビルと差がないほど最先端の建築物になってきたからといえるでしょう。

物流施設が進化している背景には、インターネット通販が急速に拡大されたことで物流機能を強化することへのニーズが高まったことにあるといえます。

物流業界で取り扱う荷物の量は増え続け、従来までの翌日配送から即日配送を可能とするなど、配達時間も短縮されるといった状況です。

しかし人手が不足している状態で、このようなニーズやサービスに対応することは困難といえるでしょう。そこで、物流機能を円滑に強化させるために肝となる物流施設の建設が増えています。

物流施設はどのように変化した?

これまでの物流施設の特徴は、古い建物で薄暗い部屋の中に段ボールが山積み状態で積み上げられている倉庫というイメージでした。

しかし近年増えているのは、即日配送などを可能とする広い敷地を持った最新鋭の大型物流施設です。

大手ECサイトを運営しているアマゾンなどを例にとっても、神奈川県小田原市に延床面積20万㎡という超大型拠点を保有しています。これは国内最大といえますが、施設は賃借しているようです。

そして大手物流のヤマトホールディングスも、関東・中部・関西のそれぞれのエリアに拠点を確保していますし、日本郵政も全国のインターチェンジ付近20か所にメガ物流局を設けるなど物流機能への強化に力を入れています。

 

円滑に作業することを可能としている理由

従来までの倉庫とは違った建物に変わった物流施設ですが、顧客から注文を受けて複数の商品を箱詰めし出荷するという流れがスムーズに行われています。

施設のどこに必要とする商品が保管されているかコンピュータ管理され、ハンディ端末などの指示に従い必要な商品を回収するピッキングを作業者が行うことで円滑な作業が可能となります。

 

施設内の雰囲気や建物構造そのものがこれまでとは違う?

複雑で高度な作業を効率的に、精度を高めながら行うためにも、物流施設は従来のような倉庫のイメージのような暗い印象ではなく、明るく清潔で快適に作業できる環境が整備されるようになりました。

具体的には高断熱性の屋根材や外壁材を用いて、免震構造、バックアップ電源導入、LED照明や屋上太陽光発電システム搭載など、快適な環境整備を行う施設が多くなっています。

それに加え今後は、人手不足問題を解決するためにもラウンジ、売店、休憩室などを設置するといった快適に就労できる環境整備も必要といえるでしょう。