物流コストが増大している要因を考えたとき、自社だけの問題なのかそれとも業界全体の問題なのか気になることでしょう。
物流コストが上昇してしまう原因にはいろいろありますが、運送会社から運賃を値上げする要請があったことがその要因として考えられるでしょう。
では具体的にどの部分を値上げしてほしいと要請されるのかといえば、最も多いのが輸送費で、次の荷役費などが挙げられます。
値上げ要請を受ければほとんどのケースで応じることとなり、物流コストを増大させることになってしまいます。
運送会社などの物流事業者が荷主に対し、値上げ要請を行う状況が改善されなければ物流コストを抑えることは難しそうです。
ここ数年、物流コストはどの業種でも上昇傾向にありますが、特にコストの中で大きな割合を占める輸送費の詳細について確認しておきましょう。
物流コストを構成しているのは輸送費・荷役費・保管費・包装費・物流管理費(人件費)などです。
ただ、物流コスト全体の半分から6割を占めているのが輸送費です。業種によっては保管費や荷役費も高めの傾向ですが、どの業種でも輸送費の上昇は避けることができないといえます。
輸送費を低く抑えるためには、深刻化している運送会社のドライバー不足が改善されることが必要です。
昔はトラックドライバーといえば、働けば働くほど稼ぐことのできる仕事とされ、長距離トラックのドライバーなども人気がありました。
しかし現在では、「きつい・きたない・きけん」という3Kに該当する職種であり、さらに「かせげない」をプラスさせた4Kと揶揄されることもあるほど人気はなくなりました。
若い世代がトラックドライバーとして働くことを希望することがなくなり、運送を担う現役ドライバーの高齢化が進んでしまっています。
このまま若い働き手が見つからないままになると、現役世代が定年を迎えドライバーはますます減少することとなり、少ない人手で業務を担わなければならないので輸送費もどんどん増大していくことが予想されます。
運送会社の倒産が相次ぐようになり、限られた業者だけが業務を引き受けることになればさらにコストは大きくなっていくでしょう。最悪の場合、物流崩壊につながりかねないため、物流業界の人材不足が解決されることが必要な状況といえます。