商品を販売するときには仕入れや製造などが必要です。そのため売上から原価を引いた粗利を確認することとなりますが、物流業界においてはどうでしょう。
企業経営において粗利を意識しすぎていると、他にも重要視しなければならないところがおろそかになってしまいがちです。
粗利とは売上から原価を差し引いた部分なので、売上総利益のことです。
物流でこの売上総利益を向上させてくためには、売上を増やすことだけでなく、メーカーなら製造原価を、流通部分では仕入原価を低減させなければなりません。
ただ、売上総利益を高めれば企業経営における利益が増えるかといえばそうではなく、営業利益に注目することが必要です。
企業の利益は損益計算書で確認できますが、売上総利益から販売費や一般管理費を差し引いた営業利益こそ、儲けが出ているか把握する上での指標とできる部分です。
利益を上げるために売上を増やすことは確かに必要ですが、顧客の要望や要求をすべて受け入れれば、サービスの品質は上がると同時に売上も向上する反面、コストがかかりすぎる可能性があります。
たとえば納品期限を短縮してほしいという要望があり、販売部門で納品までかかるリードタイムを短期化しようとしたとします。しかし生産や仕入れを無理に行い、コストを増やすことになれば意味がありません。
物流部門でも短い期間で大量の商品を出荷しなければならなくなり、人員を増やすことが必要となればやはりコストが大きくなります。
このように粗利を増やそうとすることで、反対に物流コストが上昇し営業利益が減少してしまうということになれば本末転倒です。
粗利を増やそうとすることは悪いことではありませんが、無理に大きくしようとして無駄な動きをしないように注意が必要といえます。
では営業利益を効率よく上げるためにはどうすればよいのでしょう。
営業部門では適度なサービスを提供しながら売上を増やすことが必要ですし、生産・仕入部門では無駄な在庫を抱えることのないよう管理が重要です。
営業部門と生産・仕入部門が、物流部門と連携を取ることも必要であり、戦略を立てることのできる物流責任者も必要になります。
物流コストを削減し、粗利を増やしていけるような取り組みをそれぞれの部門が協力しあいながら行うことのできる体制を整備していきましょう。