新型コロナウイルス感染症の影響によって発令された緊急事態宣言は解除となり、一時的に新規感染者数は落ち着いたかのように見えました。
しかしまだ新たな感染者は増え続けており、ワクチンや治療薬が開発されるまでは油断できない状況といえます。
物流業界でも従業員を休業させなければならない事態が起きているようですが、このような場合に活用したいのが雇用調整助成金です。
新型コロナウイルスの感染者数は再び増加しつつあり、感染拡大が危惧されている状況です。
ワクチンによる抗体、または日本人全体の7割が感染を通じて抗体を所持するかという状況にならなければ事態が収束することに至りません。
物流業を営む企業も、最低でも1年長ければ数年は、ウィズコロナを意識して事業経営を行うことが必要といえます。
売上が減少し、事業を縮小しなければならない状況にあり、従業員の一部を休業させ手当を支払い雇用の維持を図っている場合もあるでしょう。
そのときに活用できるのが雇用調整助成金ですが、新型コロナウイルスの影響により手続きも簡素化されています。
まず雇用調整助成金とは、休業している期間中、雇用保険被保険者である従業員に賃金や休業手当を支給した事業主に対して給付される助成金です。
アルバイトの従業員だけで雇用保険被保険者がいない場合には、緊急雇用安定助成金を活用できるのでそちらを検討しましょう。
給付の要件として、休業手当を平均賃金の60%以上支払っていることが必要です。
支払った休業手当に対し、1万5千円を上限として中小企業であれば10割、満額助成金で保証されます。ただし解雇を伴う場合には支給乗率が休業手当の5分の4に減額されますので注意しましょう。
次に売上などが前年同月比より5%以上減であることが必要です。休業した月・休業した月の前月・休業した月の前々月のいずれかの売上高が前年同月比より5%減であれば要件に該当します。
他にも従業員を休業させるために労使間で休業協定を締結していることが必要です。36協定などと同じく、使用者と労働者代表とで書面により締結しなければなりません。
さらに雇用調整助成金は、判定基礎期間ごとに支給申請を行いますが、期間内の休業等日数が一定日数以上なければ受給できないので注意しましょう。
新型コロナウイルス感染症による影響で雇用調整助成金を申請する場合には、
・支給乗率の引上げ
・上限額の引上げ
・支給限度日数の特例
という特例措置が設けられています。