物流業界では数か所の拠点を効率的に回せるかが大きな課題になっていますが、ネットワーク最適化にはどのような組み合わせがよいか選ばなければなりません。
そもそも物流コストは販売費や一般管理費が大きな割合を占めていることも、重要課題の1つです。
特に輸配送にかかる費用は物流コストの5割から6割を占めるため、より早期に解決しなければならない課題として挙げられるでしょう。
しかし輸配送全体の施策は、効果を定量的に評価することが難しいため、物流ネットワークの効率化実現のために本当に実施してもよいか迷いが出てしまうものです。
輸配送全体の問題を戦略的に解決させるための方法として挙げられるのが、物流拠点の立地の見直しです。
たとえば車両の積載率や倉庫の利用率を改善させたいのなら、物流センターや倉庫を統廃合するという方法があります。
ただ、2か所ある物流拠点を1か所にまとめる場合でも、どちらか一方を廃止するのか、それとも両方廃止し新しく拠点を建設するのかなど効果的な施策を判断しなければなりません。
適切な位置に物流拠点を設けることができなければ、いくら拠点を1つに絞っても物流の効率化が図れず、輸配送コストが多くかかり輸配送にかかる距離の削減にもつながらないでしょう。
物流拠点の見直しは多くの企業で経営課題として挙げられることが多いものの、定量的に分析・評価する方法の確立がされていないため、根拠を持った意思決定が難しいところです。
物流拠点が複数ある場合、統合して新たに物流拠点を建設するとします。
その際には候補となる地域を列挙し、その候補地から適切な拠点となる場所を選ぶ形です。
その上で輸配送や現場の実地検証を行っていくこととなりますが、場所の選定には輸配送コストや必要在庫量、オペレーションの実行性やキャパシティなど考慮しなければならない項目がいくつかあります。
しかしこれらの項目を厳密に試算できず、無駄に敷地を広く確保してしまうことや、都心に近いエリアにこだわりコストが高くなるといったケースも見られます。物流拠点の見直しで最も重要なのは輸配送に関する評価であると認識しておくべきでしょう。
様々な数値を人が独自で計算し、割り出すことは簡単なことではありません。そこで活用したいのが最新技術ですが、人が導き出す答えに近いシミュレーション結果を出せる技術を活用することが望ましいといえます。