自社の商品を消費者に届けるための過程や流れなどを含む一連のフローを物流といいますが、商品を移動させるために運んだり、それまでに保管したり包装加工することも含まれます。
迅速に、そしてタイムリーに消費者まで届けるためには作業を効率化させることが必要ですが、モノを輸送することだけでなく、保管、包装、荷役、流通加工、情報処理などすべての作業において効率的に行うことが求められます。
モノ、作業、情報など、すべての作業を最適化するためには、モノが入荷してから出荷されるまでの基本的な流れや工程を単純化させることも検討が必要です。
単純化させることで作業におけるスピードを高め、またミスも減少させることができるでしょうし、人員にかかる人件費も抑えることが可能となります。
ただ、複雑な作業を簡単にすればよいわけではなく、どのような作業に無駄な労力や時間がかかっているのか洗い出し、簡素化できる改善策を分析する現状の見直しが必要となるでしょう。
たとえば、ピッキング済の商品を一旦箱の中におさめ、梱包作業を行う際には担当者への引き渡し時にまた別の箱へと移し替えるといった作業は効率的とはいえません。
ただ、長年同じ作業を続けていて、本来なら無駄な作業なのにそれに気がついていない場合もあるので、第三者目線で改めて見直ししてみることをおすすめします。
作業効率を決める要因の1つに現場の動線が関係します。
フォークリフトや作業員の動線が効率的なものでなければ、商品の移動や作業を非効率にすすめてしまっている可能性があります。
ただ、効率的な動線を確保するだけでなく、安全面に意識することも必要なため、必要な要素を調整しながら作業における動線やレイアウトなどを最適化させることが求められます。
たとえば使用頻度が高い梱包材を資材置き場の隅のほうに置いてしまい、実際に使用するときにはどこに置いたわからなくなってしまうことで、探す手間や時間などの無駄が発生します。
初歩的なミスなどをなくし、改善できる部分をちょっとずつ見直すようにするとよいでしょう。
物流の現場において最も作業を非効率にさせてしまうのは、目視で行う検品作業や送り状や納品書と現品との確認です。
作業としても無駄である上に、見落としや見間違いといった単純ミスを招きがちです。
そこで、近年ではバーコードや2次元コードなどで部品や製品の管理が可能となるハンディターミナルなどを活用することで、人の手で行う照合作業によるミスを防ぐことができる上に、作業も効率化させることが可能となるでしょう。
入出庫の作業効率化を考えたとき、改善できる部分はいくつかあるはずです。まずは作業を複雑化させ、非効率にさせている業務は何か洗い出し、見直しできそうな部分から改めていくようにしましょう。