運送業界は人手不足が深刻化していますが、そもそもなぜ人が足りなくなってしまうのでしょう。
少子高齢化などを背景に、日本は今後人手がますます不足していくといわれていますが、その中でも人材不足に悩んでいる業界の1つが運送業界です。
運送業界の人手は常に足りていない状態といえますが、その原因として次の4つが挙げられます。
運送業界そのものが他業界より高齢化が進んでいると言われており、現場で働いているドライバーの約7割は40歳以上です。
それに対し、29歳までの労働者は10%以下という状況のため、年齢層の歪みがこのまま続けば人手不足は更に深刻化するといえるでしょう。
大型トラックドライバーや中小型トラックドライバー、いずれも他業界を含めた全体の平均より年収は低めです。
運転する車体や距離などで給与に違いがあるため、どのドライバーも必ずしも平均より低いとはいえないものの、数字だけで見れば低賃金というイメージが強いのも無理はありません。
インターネット通販の商品配送も増えてはいるものの、大手ECサイトなどの場合には配送料も安いため、運送会社に入る報酬も少なめです。仕事は増えているのに人手は足らず、受け取る報酬も少ないというしわ寄せが、現場で働くドライバーの賃金に影響しているといえるでしょう。
トラックドライバーの業務環境は過酷といえる状況で、荷待ち時間を含めた拘束時間の規制なども厳しくなってはいるものの、原則1日13時間以内で配送する荷物量は増加しています。
時間内に業務を終えることができず、規定業務時間超過などで対応している場合もあるようです。
トラックドライバーは常に人手が足りていない状況ですが、女性の比率は3%以下で極めて少ないといえます。
労働力を確保するためのも女性を積極的に採用することも検討しましょう。
女性の採用に向けては、産休・育休などの制度を導入し、復帰後の勤務の負担軽減などの対応も必要です。また、女性専用の更衣室やトイレなどもあったほうが、安心してドライバーとして働きやすいと感じてもらえます。
それに加え、職場・労働環境の見直しを行い、新たな人材獲得だけでなく既存のドライバーが定着することにつなげていきましょう。
求職者に対しても、積極的にポジティブなイメージを持ってもらえる情報を発信し、働きやすい制度や社風、人間関係の良さ、福利厚生の充実度などをアピールしていくことが必要です。