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運送業界が外国人を採用する場合に取り組むべきこととは?

2021.08.08
分類:経営

運送業界は労働力が確保できていないことが問題視されていますが、外国人ドライバーという可能性にも注目が集まっています。

日本は少子高齢化が進んでいるため、不足する人材を外国人で補うことができれば…と考える経営者も少なくないようですが、そこで問題となるのが在留資格です。

運送業が外国人労働者を受け入れることは可能?

労働力不足の問題を解決しようと、たとえば自動運転やロボットなど、最新技術を運送に取り入れるといった動きもみられます。

しかし実際には実用化されておらず、不足が深刻化し続ける人手を何とか補うため、外国人労働者を雇用したいと考えてしまうものでしょう。

ただ、運送業界では外国人労働力を受け入る門戸は開かれているといえず、外国人が日本で就労するときに必要となるビザでは、単純労働という位置づけの運送業で働くことはできません。

 

外国人を労働者として採用する場合に必要なビザ

運送業が外国人労働者を採用する場合には、在留資格の中でも「永住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者」などを有する外国人でなければならないといえます。

外国人労働者を受け入れるため、2019年4月に改正入管法が施行され、新たな在留資格「特定技能」が新設されています。

しかしこの在留資格「特定技能」は14の分野に限定されており、運送業も追加を要望しているものの、まだ検討段階という状態です。

 

どこまでのコミュニケーション能力を求めるか

外国人労働者を今後採用できるようになるのか、その可能性については、まず外国人に求める日本語レベルをどこまで許容するかがポイントです。

日本語によるコミュニケーション能力が必要になればなるほど、現場で働く外国人の負担は大きくなってしまいます。

運送業のドライバーとして働く場合、荷物を運ぶ先が消費者なのか、それとも企業など法人かによって求められるコミュニケーション能力は違ってくるでしょう。

日本語が堪能な外国人ならどちらでも対応できますが、そうでない外国人であればできる仕事に就くことになります。

ただ、永住権を有する外国人の多くが運転免許や車を保有しており、運転も好きというケースが多いといえます。

 

就職先の選択肢が広がれば外国人にとってもメリットに

日本で生活する外国人の多くは製造業で働いていますが、日本語をうまく話せず就職先の選択肢は限られていることもその背景にあります。

しかし運転免許を生かすことのできる仕事も選択肢として与えることができれば、大きな反響を呼び、条件が合えば就きたいと希望してもらえる可能性も出てくるでしょう。

永住権を有する外国人を採用することで、不足する労働力を十分に補うことのできる人材となります。

ただし戦力として採用するのなら、受け入れる体制を整備するなどの取り組みも必要です。